海外旅行中のさまざまなリスクをカバーしてくれる海外旅行保険。パッケージツアーとセットで契約したり、クレジットカードに付帯しているものを利用したり、複数の加入方法があります。またひとくちに海外旅行保険といっても、さまざまな補償がセットになっています。海外旅行保険はどんな時に役立つのでしょうか。

海外旅行保険とは?海外でのトラブルと対応する補償

海外旅行保険とは、海外旅行の際に起こったトラブルに対応してくれる保険です。
旅行中に起こり得るさまざまなトラブルに合わせて幅広い補償が含まれており、おもに以下5つの海外中のトラブルに対応できます。

1.ケガや病気で病院にかかるとき

海外では日本の保険証が使えないため、旅行先の病院の医療費は全額が自己負担になってしまいます。そこで、旅行中にケガをした、病気にかかったなどで病院を受診したときに自己負担した治療費が、海外旅行保険で補償されます。「治療費用」という補償名がついているのが一般的です。

現地での受診時には医療費を自分で一時的に立て替えて、保険会社に請求すると後から保険金を受け取れるのが一般的なスタイルですが、一部の保険会社では「キャッシュレスサービス」を設けています。
提携病院であれば、医療費が保険会社から病院に直接支払われるので、現金を持ち合わせていなくても受診できます。

2.ケガや病気で家族を現地に呼ぶとき

海外旅行先で病気やケガで現地の病院に入院した際、家族が現地に駆けつけた時の交通費などが保険で補償されます。「救援者費用」という補償名がついているのが一般的です。

3.相手方への賠償トラブル

旅行中のトラブルで損害賠償責任を負ってしまった場合に、保険金がおります。「賠償責任」という補償名がついているのが一般的です。たとえば他の人の持ち物を壊してしまった、お店の商品やホテルの備品を壊したり傷つけたりしてしまった、ホテルのバスルームの水を出しっぱなしにして水浸しにしてしまったなどのトラブルに対応できます。

4.手荷物のトラブル

いわゆる「ロストバゲージ」と呼ばれる手荷物トラブル。出発時に預けた荷物が現地の空港で手元に届かなかったり、予定よりも遅れて届いたりすることで、急きょ着替えや日用品など、本来は必要なかった出費が発生したときに、その費用が保険で補償されます。「航空機預託手荷物遅延等費用」という補償名がついているのが一般的です。

5.飛行機のトラブル

遅延やストライキなどで飛行機が欠航、運休して出発できなかった、あるいは乗り継ぎができず、旅程にはない宿泊費や交通費がかかった場合に、かかった費用が保険金として受け取れます。「航空機遅延費用」という補償名がついているのが一般的です。
多くの保険会社では基本保障ではなく、オプション補償になっているため注意が必要です。

補償以外に受けられる現地サービス

トラブル時の補償のほかに、海外旅行保険では契約者向けのさまざまなサービスを利用することができます。
保険会社によって内容が異なりますが、主なサービスは4つあります。

1.医療機関の案内

旅行中にけがをしたとき、体調不良になったときに、保険会社の窓口に電話をすると現地の病院を案内してもらえます。24時間365日、日本語で対応してもらえるところが多いため、現地からでも時差を気にせず電話できます。

地域によっては、日本語が通じるスタッフがいる病院、日本人医師や女性医師のいる病院を案内してもらえることもあります。

2.キャッシュレス受診サービス

保険会社が現地の病院と提携している場合には、医療費を現金払いせずに受診できる「キャッシュレスサービス」を受けられることがあります。かかった費用は現地の病院から保険会社に直接請求され、保険会社が病院に支払うため、窓口での負担なく受診できます。

3.トラブル時の相談サービス

病気やケガ、航空機に関わるトラブルだけでなく、海外旅行中には小さなアクシデントに見舞われることもあります。たとえばパスポートやクレジットカードを失くしてしまった、盗まれてしまったときに、カード会社の連絡先を教えてもらう、再発行の手続き方法を教えてもらうなどに対応してもらえます。

あるいは、現地で何らかのトラブルに遭い、言葉がわからずに困ったときに、電話で通訳をしてもらうサービスのある保険会社もあります。

最近では電話だけでなく、アプリなどを使ってさまざまな情報やサービスの利用ができるサービスも増えています。いずれも、原則としてサービスを受けるために別途の手数料はかかりません。

4.旅行のサポートサービス

トラブルに限らず、海外旅行を楽しむために便利なサービスが充実している保険もあります。たとえば航空機の時刻表情報やホテルの案内をしてもらう、さらに予約や手配を代行してもらえるサービスを設けている保険会社があります。

窓口・空港・ネットなど自分に合った場所で加入できる

海外旅行保険は、窓口はもちろん、空港やインターネットで気軽に申し込むことができます。急に旅行に行くことになった、出張が決まったなどの場合に、出発当日でも契約できる保険もあります。

申込方法はおもに5つあります。

1.旅行代理店の窓口

多くの旅行代理店の窓口では、提携保険会社の海外旅行保険を取り扱っています。パッケージツアーや航空券とホテルのセットプランなどを申し込んだ場合は、そのまま海外旅行保険にも同時に加入すると便利です。

2.保険代理店

保険ショップなどの保険代理店でも、多くは海外旅行保険を取り扱っています。複数の保険会社の商品を扱っている総合保険代理店なら、商品のラインナップが豊富です。旅行代理店とは違い、窓口では保険のプロが対応することが多いため、各商品の特徴や違いなどを教えてもらえるかもしれません。

3.クレジットカード

海外旅行保険は、クレジットカードの会員サービスとして付帯していることがあります。カードの種類により、自動付帯といってカードの会員ならば自動的に海外旅行保険の補償対象になる場合と、利用付帯といって旅行代金をカード払いにするなどの条件を満たすと補償対象になる場合があります。

一般的には、クレジットカードに付帯している海外旅行保険は自分で申込む海外旅行保険に比べて補償される保険金額が低い、補償対象が限定されるなどの制限があります。クレジットカード会社では、カード付帯の海外旅行保険に上乗せで契約できる保険を取り扱っていることもあります。

4.空港

空港のカウンターでも海外旅行保険に加入することができます。国際線のフロアでは多くの保険会社がカウンターをかまえています。出発間際でも契約できるのが特徴です。

また、一部の空港ではATMのような契約機やタブレット端末が設置されており、機械操作のみで海外旅行保険に加入できることがあります。こうした端末からは、インターネット専用の海外旅行保険に契約できる場合もあり、対面窓口で契約する保険に比べて割安なことがあります。

5.インターネット

インターネット専用の海外旅行保険もあります。同条件の旅行で比較すると、店頭や空港の対面窓口で契約するよりも保険料が割安な傾向があります。パソコンやスマートフォンから申し込み手続きをでき、窓口に比べて契約に必要な日数が短いのが特徴です。

保険料の支払いはクレジットカードや携帯電話のキャリア決済でできる、保険加入から事故受付までの手続きを契約者専用のウェブサイトでできるなど、時間や場所を選ばずに契約できます。

旅行の計画と合わせて海外旅行保険の検討も

海外旅行保険は旅行中のさまざまなトラブルに備えることができる保険です。
トラブルなく、帰宅まで旅行を楽しめるのが一番です。しかし、住み慣れない海外では予想しないハプニングや体調を崩してしまうこともあるかもしれません。

旅行日程の計画とや準備も合わせて海外旅行保険も準備をしておくことでより旅行を楽しめるのではないでしょうか。
また、海外旅行保険は窓口だけでなくネットや空港で手軽に契約することもできるので、出発準備で忙しくて気が付けば出発前日や当日、というときでも便利です。旅先での万が一に備えて、安心して出発したいですね。

  • 監修者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。