女性特有の病気のひとつに、子宮頸がんがあります。がんの中で唯一、ウイルスによって感染するがんです。

では、子宮頸がんにはどのようなリスクがあり、予防するにはどのような方法があるのでしょうか。子宮頸がんのリスクやがん検診について知っておきましょう。

子宮頸がんはウイルス感染により若い女性がかかりやすい

子宮頸がんは、女性の子宮頸部にできるがんです。おもに性行為によって感染するヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)というウイルスによってがんが発生すると考えられています。早期に見つかれば比較的治癒しやすいものの、発見が遅いと治療が難しく、死に至ることもあります。

子宮頸がんは20~30代女性で多い

厚生労働省※1によると、子宮頸がんにかかる人は年間10,000人程度(2008年)、子宮頸がんで亡くなる人は年間3,000人程度(2011年)だそうです。年代別に見ると20代から30代にかけて、それより若い世代に比べて急増する傾向にあります。

年代別 子宮頸がんの罹患率
国立がん研究センターがん情報サービスのグラフ

国立がん研究センターがん情報サービスのグラフ

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」罹患データ(地域がん登録全国合計値)より筆者作成

がん検診で子宮頸がんの早期発見が可能

HPVに感染しても、必ずしも子宮頸がんになるわけではないようです。長期間持続的に感染することでがんになることがあるという特徴から、定期的にがん検診を受けることで早期に発見することが期待できるといわれています。

子宮頸がん検診の方法と費用

子宮頸がん検診は一般的に子宮頸部の細胞を採取して検査することで、がんになる前の異常や早期のがんを発見しようとするものです。

検診の方法は医療機関により異なることがありますが、基本的には問診と視診、子宮頸部の細胞を少しこすり取って行います。日本では2019年現在、20歳以上の女性は2年に1回子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。

がん検診にかかる費用は原則として自己負担ですが、多くの自治体では検診費用の補助をしています。2年に1回、お住まいの自治体から検診受診のクーポンが送られ、その年は無料またはごく少ない自己負担で検診を受けられます。費用は地域や医療機関により異なりますが、自己負担がある場合でもおおむね500円~2,000円のところが多いようです。

子宮頸がんの予防法にはワクチン接種もある

子宮頸がんを予防する方法には、がん検診を定期的に受診するほかにワクチン接種もあるといわれています。ワクチンを接種することで、HPVウイルスに感染することを防ごうとするものです。

厚生労働省※2によると、「現在使用されているHPVワクチンは、子宮頸がんの原因の50~70%を占める2つのタイプ(HPV16型と18型)のウイルスの感染を防ぎます」とされています。

HPVワクチンの接種は任意です。接種する場合には、現在は中学1年生になる年度の接種が標準的とされています。ただし、すべてのタイプのHPVの感染を予防できるわけではありません。ワクチンで防ぐことのできないHPVもありますから、定期的に子宮頸がん検診を受け、がんになる前や早期の病変を発見できるように心がけることが大切なようです。

なお、子宮頸がんワクチンを接種した人の中には、副反応による症状に見舞われるケースがあると報告されています。過去の事例では、副反応の症状とワクチン接種との因果関係が厳密には十分に検証されていない例もあるようですが、HPVワクチンを接種したときには、体調の変化にしばらく留意することが奨められています。

定期的ながん検診で子宮頸がんの早期発見を

がんのなかでも、特に若い女性でリスクが高まる子宮頸がんは、定期的にがん検診を受診することで早めに発見、治療することができます。お住まいの自治体の補助を上手に活用しながら、継続的に健康状態を確認すると安心ではないでしょうか。

※1 出典:厚生労働省「子宮頸がん予防ワクチンQ&A」
※2 出典:厚生労働省「HPVワクチンに関する情報提供について 平成30(2018)年1月」

  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。