医学の進歩により、私たち日本人は多くの病気への治療法を得ることが出来ました。しかしその中でも、未だに治療が難しく療養が長期化してしまう可能性がある疾病を「難病」と呼んでいます。

「難病」とは?

かつての日本では、結核・コレラ・破傷風・ペスト・赤痢などの伝染病は、疾病の原因や有効な治療法が発見されておらず、多くの人の命が失われていました。その後、公衆衛生の改善・医学の進歩などにより、多くの疾病に有効な治療や薬が発見されました。

しかし、現在でも「発病の機構が明らかでなく」、「治療方法が確立していない」、「希少な疾病であって長期の療養を必要とするもの」があり、この条件を満たしたものが「難病」と呼ばれています※1。また、その中でも更に一定の要件を満たしたものは、「指定難病」と呼ばれます。

「指定難病」とは?

厚生労働省「指定難病」(過去には「特定疾患」とも)とは、以下のように定義されています※2

難病のうち、以下の要件の全てを満たすものを、患者の置かれている状況からみて、良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いものとして、厚生科学審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定
  • 患者数が本邦において一定の人数※注に達しないこと
  • 客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること
※注 人口のおおむね千分の一(0.1%)程度に相当する数と厚生労働省令において規定している。

つまり、診断基準がはっきりとしており、かつ患者数がごく少数であり、特に特別な支援が必要な病気ということです。

指定難病一覧(抜粋)

2019年4月現在、「指定難病」は331疾病あります※3

筋萎縮性側索硬化症
パーキンソン病
多発性硬化症/視神経脊髄炎
もやもや病
天疱瘡
悪性関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
ベーチェット病
サルコイドーシス
クローン病
潰瘍性大腸炎
先天性ミオパチー
筋ジストロフィー
先天性魚鱗癬
胆道閉鎖症
遺伝性自己炎症疾患
クッシング病甲状腺ホルモン不応症

出典:厚生労働省「指定難病病名一覧表」より一部抜粋

「指定難病」の場合は医療費助成制度が利用できる

指定難病の患者さんを対象として、医療費の自己負担上限額(月額)が設定される「医療費助成制度」があります。

“原則として「指定難病」と診断され、「重症度分類等」に照らして症状の程度が一定以上の場合” ※4である方が対象となります。また、「軽度高額該当」という認定基準もあり、“症状の程度が疾病ごとの重症度分類等に該当しない軽症者でも、高額な医療を継続することが必要な人は、医療費助成の対象となります”※4

相談・申請は居住地域の福祉局・保健所などで行えます。医療費助成制度の対象になるのは申請日以降の治療費で、それ以前の費用はすべて対象外となってしまいます。相談・申請はできるだけ早く行うと良いでしょう。

「指定難病」でも生命保険・医療保険に加入できる?

指定難病と診断され治療中の場合、生命保険・医療保険に加入できるのでしょうか。

指定難病に限らず、持病で通院・投薬をされている方でも、一般的な保険より簡単な告知でお申込み頂ける「引受基準緩和型」「限定告知型」と呼ばれる保険が多く販売されています。一般的な保険に比べて保険料が割増されている・受け取れる保険金額が削減される期間があるなどの留意点はありますが、指定難病でお悩みの方でも、告知に該当しなければお申込みが可能です。

また、既往症の悪化・再発による入院・手術も保障対象となりうる保険商品もあります。保険加入前に医師から勧められていた入院・手術は保障対象外ですが、現在入院・手術を勧められておらず、今後の備えをしておきたい場合には、心強い味方となるでしょう。

以前に一般的な生命保険・医療保険への加入が出来なかった方も、「引受基準緩和型」「限定告知型」の生命保険・医療保険を検討してみてください。

持病があっても入りやすい死亡保険

持病があっても入りやすい医療保険

※1 出典:厚生労働省「難病の患者に対する医療等に関する法律の概要」
※2 出典:厚生労働省「指定難病の要件」
※3 出典:厚生労働省「平成29年4月1日施行の指定難病(新規・更新)」
※4 出典:難病情報センター「指定難病患者への医療費助成制度のご案内」(平成29年9月現在)から引用