生命保険会社が倒産したら、加入している保険はどうなる?過去の破綻事例をもとに解説

生命保険は、長期にわたって継続する契約です。

万が一、現在加入されている生命保険会社が破綻(はたん)してしまった場合に、そのときの年齢や健康状態によっては、それまでと同様の条件で新たに生命保険に加入することが難しくなることがあります。

生命保険契約者保護機構による契約者保護

そこで、生命保険会社が破綻した場合でも「生命保険契約者保護機構」によって、加入している保険契約は継続されることになります。
「生命保険契約者保護機構」には、国内で事業を行う全ての生命保険会社が加入していますが、どのように保険契約の継続を図っていくのでしょうか?

保険契約継続の措置

破綻した生命保険会社の保険契約を引き継ぐ「救済保険会社」が現れるか否かによって、「生命保険契約者保護機構」は次のいずれかの方法で保険契約の継続を図ります。

  1. 「救済保険会社」が現れた場合
    「救済保険会社」が契約を引き継ぎ、「生命保険契約者保護機構」は法令等に従い資金援助を行います。
  2. 「救済保険会社」が現れなかった場合
    1. 「生命保険契約者保護機構」の子会社として設立される「承継保険会社」が保険契約を引き継ぎます。
    2. 「生命保険契約者保護機構」自らが保険契約を引き継ぎます。

契約条件の変更

「生命保険契約者保護機構」が保険契約の継続を図る際には、契約者にとって次のマイナス面があります。

1.責任準備金が削減されることがある

「生命保険契約者保護機構」により補償される責任準備金は、破綻時点の責任準備金の90%までとなります。

※責任準備金=生命保険会社が将来の保険金・年金・給付金の支払に備え、保険料や運用収益などを財源として積み立てているお金

過去の事例
破綻した
生命保険会社
破綻年月 責任準備金
の削減率
日産生命保険
相互会社
1997年
04月
0%
東邦生命保険
相互会社
1999年
06月
10%
第百生命保険
相互会社
2000年
05月
10%
大正生命保険
株式会社
2000年
08月
10%
千代田生命保険
相互会社
2000年
10月
10%
協栄生命保険
株式会社
2000年
10月
8%
東京生命保険
株式会社
2001年
03月
0%

※千代田生命、協栄生命、東京生命は更正特例法を適用 2007年7月現在

2.予定利率が引き下げになることがある

保険契約の移転の際には、契約時に約束されていた予定利率を引き下げる場合があります。
契約を引き継ぐ保険会社が、保険契約を適正かつ安全に維持し、保険金等の支払いを確実に行なっていくための措置です。

過去の事例
破綻した
生命保険会社
破綻年月 責任準備金
の削減率
日産生命保険
相互会社
1997年
04月
2.75%
東邦生命保険
相互会社
1999年
06月
1.50%
第百生命保険
相互会社
2000年
05月
1.00%
大正生命保険
株式会社
2000年
08月
1.00%
千代田生命保険
相互会社
2000年
10月
1.50%
協栄生命保険
株式会社
2000年
10月
1.75%
東京生命保険
株式会社
2001年
03月
2.60%

※千代田生命、協栄生命、東京生命は更正特例法を適用 2007年7月現在

3.保険金額が少なくなることがある

上記の「責任準備金の削減」や「予定利率の引き下げ」が行われた場合には、一般的に契約時に約束されていた死亡保険金額や満期保険金額、年金額が少なくなります。
特に、予定利率が高いときに加入した貯蓄性の高い保険(養老保険、終身保険、個人年金保険など)は、減少幅が大きくなります。

4.早期解約控除が行なわれることがある

保険契約の移転後一定期間のあいだに解約をすると、解約返戻金が削減されることがあります。
契約を引き継ぐ保険会社が、保険契約を有効に継続させていくために、一定の保険契約者数を維持する必要があるための措置です。

東邦生命の事例
早期解約控除の
適用基準日
控除率
2001年3月31日まで 15%
2001年4月1日から
2002年3月31日まで
14%
2002年4月1日から
2003年3月31日まで
12%
2003年4月1日から
2004年3月31日まで
10%
2004年4月1日から
2005年3月31日まで
8%
2005年4月1日から
2006年3月31日まで
6%
2006年4月1日から
2007年3月31日まで
4%
2007年4月1日から
2002年3月31日まで
2%

加入中の保険会社の健全性をチェック

このように、生命保険会社が万が一破綻した際にも、契約が守られるしくみがあります。しかし、できれば自分の契約先の保険会社が破綻する事態は避けたいものです。

すべての保険会社では、財務の健全性を示す指標を算出、公表しています。ソルベンシー・マージン比率というもので、予測不可能な大規模災害が発生して、莫大な保険金を支払うことになっても耐えうる自己資本を持っているかを表します。日本では、ソルベンシー・マージン比率が200%以上であれば、通常の予測を超えるリスクに対応する支払い能力があるとされています。

ご自身の契約先の保険会社のソルベンシー・マージン比率を定期的にチェックしておくと安心ではないでしょうか。

  • 執筆者プロフィール

     ライフィ編集部

    ライフィ編集部

    「お困りごと解決のためのお役立ち情報サイト」を目指し、生命保険・損害保険を中心に、健康や家計などさまざまな情報を掲載しています。 メンバーは独自の視点でお客さまのお困りごとに日々耳を傾け、編集・発信しています。