Vol.3 タイム・イズ・マネー

ガラポンとは

八角形の箱を回転させ、当たり玉を引く福引き抽選器の通称。
一等の金色の玉を一発で当てることもあれば、末等の白い玉を引き続ける場合もある。
引手を一喜一憂させるが、手を回し続けなければ決して玉は出ることがない単純な仕組み。

不妊治療も何事も、千里の道も一歩から

まずは初診予約です。

ココと決めている病院はありました。
元同僚が体外受精によって妊娠・出産を叶え、院長の親身な対応を絶賛していた個人クリニックです。
自宅から30分とアクセスがよく、待ち時間が平均1時間というのも決め手でした。

が、「初診は2ヶ月先からの予約となります」との旨。

出鼻をくじかれましたが、このような状況は、都内の人気医院あるある。
初診予約が毎月1日の24時(!)からのネット限定で、瞬時に埋まる病院もある状況です。

気を取り直して他院を訪ね、浮いた2ヶ月を使い、夫婦でひととおりの検査を完了。
妊娠した際に安心材料になる風疹ワクチンも、この時期に受けました。

検査結果を携えて当初のクリニックへ、いざ仕切り直しです。

こちらでは、人工授精と体外受精を1回ずつ行いました。
院長は実にハートが感じられる方で、臆さずに基本的な質問や漠然とした不安を相談することができました。
アットホームな雰囲気で、通院が楽しみですらあったのです。

しかし、大きな問題が。

個人クリニックなので、当然休診日があります。
治療が体外受精へ移行すると、採卵や胚移植のタイミングが休診日と重なる『機会ロス』が生じてしまう。
先を急ぐ今の私に必要なことは、心の拠り所より機を逃さない確実性。

不妊治療の頼もしい経験者のK嬢が通院をした、ほぼ365日開院の病院へ転院することを決めました。
[「遠い(自宅から1時間)」+「激混み故に待つ(予約制でも2時間強)」]×毎月4~8回の通院。

妊娠・出産のリミットに焦り、タイトなスケジュールに追われ、スピーディーな決断を迫られる。
一瞬一瞬が『タイム・イズ・マネー』でありました。

時に、マネーの方の話も少し。

治療中は会計時の額面に驚愕することも、シビアなあるあるです。
人工授精及び体外受精周期の診療は全額自費診療のため、10万~20万円台の出費も度々。
1万円台で済む会計日は「お、安い」と思うほど、金銭感覚がおかしくなったものです。

私たち夫婦の場合は、居住区である港区の特定不妊治療費助成に本当に救われました。
株式会社メルカリのように、不妊治療費用の一部負担の制度を設けている企業もあります。

このような取り組みこそ大ウェルカム。
治療と仕事の両立に奮闘する女性たちの負担が軽くなる仕組みを!と願うばかりです。

プロフィール

【ライターM・T】
1973年生まれ。女性誌、男性誌、音楽専門誌、ライフスタイル誌、CDのライナーノーツなどで文筆活動を展開中。
2017年、43歳の時に第一子を出産。本コラム「私のガラポン不妊治療」では、40歳から開始して約2年間に及んだ不妊治療を振り返る。

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