児童扶養手当は、シングルマザー、シングルファザーのひとり親家庭を経済的に支援する国の制度です。
今は経済的に厳しいけれども、条件の良い仕事に就きたい、収入をアップして安定した生活を目指したいシングルマザー、シングルファザーの方を支える制度ですが、どのように手続きをすれば受け取れるのでしょうか?
参考:「シングルマザー・シングルファザーを支える!ひとり親家庭支援のしくみ」

児童扶養手当の申請のしかた

児童扶養手当を受け取るには、お住いの市町村の窓口で申請手続きをします。おもに、戸籍全部事項証明(戸籍謄本)と所得証明書が必要です。窓口には必要な書類が用意してありますので、その場で記入してもよいでしょう。申請書類にはマイナンバーの記載も必要になります。

児童扶養手当を受け取るには、ご家庭の状況や収入などについての審査を受けますが、書類だけではわからない特殊な事情を抱えていることもあるでしょう。提出をする際には、直接窓口に行って、ご家庭の状況を詳しく説明することも大切です。

また、最初の申請時には支援の対象にならなくても、状況が変わった場合には、再度申請することで、支援の対象になります。収入が下がった、祖父母と同居していたが、途中から別居することになった、など、状況が変わったときには改めて申請しましょう。

手当を受け取るまでの流れ

窓口で申請を行って受理されると、申請のあった月の翌月分から支給が始まります。毎年4月、8月、12月に、その前月までの分が指定の銀行口座に振り込まれます。※2019年11月からは、奇数月に年6回各2か月分を受け取ることができるようになります。

手当を受け取ったあとは、市町村の窓口から1年に1度、現況届が送られてきます。現況届には、住所や1年間の所得、生活の状況について記入します。これをもとに、次の1年間の手当の額が決まります。ありのままに記入をしましょう。期日までに返送しないと、手当がストップしてしまいますので注意しましょう。

児童扶養手当の付帯サービス

児童扶養手当は、収入などの条件に応じて月額10,030円~42,490円(平成30年度。以後、自動物価スライド制により毎年更改予定)※を受け取れるものですが、金銭的な支援だけにとどまりません。国や各市区町村では、児童扶養手当を受け取っているシングルマザー、シングルファザーを対象に、さまざまな支援を行っています。

たとえば、国からは、仕事に役立つ資格取得や職業訓練、求職活動支援、通勤定期の補助などを受けることができます。

また、お住いの市区町村によっては、市町村営住宅に優先的に入居できる、保育園の入園や学童保育を優先的に利用できる、ごみ処理や上下水道料金の減免、公共施設の利用料金の減免など、独自のサービスを受けられます。

シングルマザー、シングルファザーの方は、一人で子育てや家事、仕事や行政的な手続きなどをすべてこなさなければなりません。国や自治体の支援サービスを上手に活用することで、子育ての負担がいくぶん抑えられるでしょう。

支援の主体 支援内容
国の支援
(全国ほぼ共通)

就職に結びつきやすい資格取得へに支援
・自立支援教育訓練給付金
・高等職業訓練促進給付金
・高等学校卒業程度認定試験合格支援事業
・自立支援プログラム策定事業の割引や減免
・JR通勤定期3割引
・地下鉄無料乗車券1人分支給

市町村独自の支援
(市町村により違う)

・市町村営宅への優先入居
・保育園入園・学童保育の優先
・ごみ処理や上下水道料金の減助
・市町村の公共施設利用料金の減免など

児童扶養手当を受け取った後

実は、児童扶養手当は、無条件でずっと受け取れるわけではありません。受給をしたら、その後毎年「現況届」によって状況を報告しなければなりません。このうち、仕事の状況は重要です。児童扶養手当を受け取り始めてから5年以内に、何の事情もなく、どんな仕事にも就いていない場合は、それまでの支給額の2分の1にカットされてしまいます。万が一、5年経つけれど働けない状況の場合には、市区町村の窓口に相談をしてみましょう。

児童扶養手当を受け取ることで、経済的なゆとりがうまれ、子育てをしながらも働く基盤を築くことができます。一人で仕事と家庭の両立をするのは難しいことですが、手当や支援制度を活用して、安定した生活を送ることを目指しましょう。

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※出典:厚生労働省「児童扶養手当等の手当額について」

文:ファイナンシャルプランナー太矢 香苗(編集:マネーステップオフィス株式会社)