「民泊」って、シンプルに言えば、「個人の家に泊まる」ということです。
新しいことのようですが、実は昔から行われていました。四国八十八か所巡りで有名なお遍路さんは、無料で宿を提供されていました。そして現代の民泊は2008年頃、インターネットを通じ個人の住宅・マンションを宿泊施設として貸し出すというビジネスが始まり、あっという間に広がりました。こうした仲介サイトは利用者が増え続けています。世界中のいたる所で、そこで暮らしている人の部屋を借りる楽しさや、安さ、手軽さが受けているようです。
一方で、利用されている住宅の近所の人にとっては、心配のタネともなってきています。

うちのマンション、最近あやしい、もしかして民泊?

民泊がブームになると、こんなことが身近で見られるようになりました。

  • マンションにゴロゴロとスーツケースを下げて歩いている外国人がいる
  • 見知らぬ外国人が隣の家に現れた。しばらく泊まっていくらしい
  • ゴミを分別せずに出す人がいる。分別の仕方がわからないらしい
  • マンションの共有スペースで夜遅くまで大騒ぎ。注意したいけどこわい
  • あんな狭い部屋に、大人数で泊まっているらしい。ベランダでも騒いでいる
  • 隣に泊まっているらしい人が調味料を借りに我が家へ。様子を見に来たのかしら?ちょっとこわい

特に外国の方が相手の場合、外国語を話せないことや相手の国の習慣などもわからないので、どう注意したらよいか分からず、トラブル解決の妨げになっていると思われます。民泊新法ができ、民泊を事業として始める人もますます増えそうで、不安は一層高まります。

民泊、これから増えそう。空き家も多いし・・・・

民泊はこれから増えそうです。自分の持っている資産の有効活用のためであったり、国としてオリンピックに向けて増える観光客の宿泊場所の確保のためであったりします。しかし、それだけではなく、民泊は相続人がいない、管理者がいない、という空き家活用策としても期待されています。

民泊新法で全国の「住宅」で民泊が可能に

民泊新法とは、「住宅宿泊事業法」の略です。平成30年6月に法律が施行し、民泊の規制や届出制度が決められ、全国の「住宅」で民泊が可能になりました。
以前は「特区民泊」と言って一部地域でのみ民泊が認められていました。しかし規制が厳しい中で「ヤミ民泊」が増えてしまったのです。そこで、民泊制度を健全に広げるため、民泊の定義、届出制度、近隣への対応等ルールを設定しました。

民泊ができる「住宅」とは?

民泊新法の施行規則※1では民泊が行える住宅の要件として「次の3つのいずれかに該当し、人を宿泊させたり入居させたりするような事業に使用されていない家屋」と規定しています。

(1)現に人の生活の本拠として使用されている家屋
(2)入居者の募集が行われている家屋
(3)随時その所有者、賃借人又は転借人の居住の用に供されている家屋

(1)は、「特定の人が現在生活している家屋を貸す」ということですので、その家屋が特定の誰かの住民票上の住所となっているような場合を想定しています。投資用に購入したマンションなどは、居住としての使用履歴がないので(3)には当たらないということになります。
法律ですので、少し難しいかもしれませんが、これを知っていると、近所の人が行っている民泊が合法なものかどうかを見極めるときの判断基準になります。

民泊トラブルランキング。1位は安全。

民泊は、利用者にとっても貸出すオーナーにとっても便利な仕組みではあるのですが、やはりトラブルは多いようです。民泊ポリス※2に実際に寄せられた苦情トラブルに関するデータによると、ランキングは以下のような結果になっています。

苦情内容別ランキング

順位 内容 件数
第1位 セキュリティ問題 1,012件
第2位 騒音問題 845件
第3位 ゴミ問題 537件

※出典:民泊POLICE「苦情ランキング」(2018年8月現在)

民泊の苦情件数が増加

新宿区では「新宿民泊問題対応会議」を立ち上げ、トラブルへの対応を今後どうするかなど検討しています。
民泊についての苦情相談※3は平成25年度の3件から、平成28年度には246件と大幅に増加しています。苦情への対応や相談体制の整備が課題となっています。

新宿区 民泊についての苦情受付件数

民泊 営業相談・苦情受付状況(新宿区) 年円苦情相談が増えている

民泊利用者とトラブル。どうすればいい?誰に相談できるの?

民泊が盛んになると、トラブルも増えると考えられます。
新宿区が受け付けた苦情※4の中には、「ナイフを持った外国人宿泊者が自宅敷地に入り、木を切っていた」「中国人宿泊者が自宅敷地に入り物干しに多くの洗濯物を干してしまう」等、警察へ通報するほどの深刻な問題も起きています。
しかし、実際にトラブルになった場合は、民泊ホストになっている人が隣人の場合もありますので、直接交渉するのは気が重いものです。その場合には苦情相談窓口としては、都道府県庁、そして、コールセンターが便利です。

マンションの場合は管理組合へ相談を

マンションの場合は、「管理規約」を確かめてみましょう。マンションの管理規約はマンションの「憲法」と云えます。管理規約に民泊禁止条項が含まれていると、民泊事業は行えません。ですから、マンションにお住まいの方は管理組合に相談してみることも一つの方法です。
ほとんどのマンションは国土交通省によって作成された「マンション標準管理規約※5」に従って管理規約を作成していますが、民泊の施行に伴って、民泊を可能とするか否かを規約に加えるよう改正されています。

民泊制度コールセンターで電話相談が出来ます

自分や民泊ホストの隣人が住んでいる都道府県庁に聞いてみましょう。民泊ホストになるためには都道府県知事の登録が必要ですので、各都道府県庁に申請書類を受け付ける窓口があります。そちらに確認してみましょう。

観光庁が健全な民泊サービスの普及を目的に、民泊制度についてポータルサイト※6を開設していますが、その中で紹介されているコールセンターを活用するのが、もう一つの方法です。
民泊制度コールセンターの電話番号は0570-041-389(ヨイミンパク)。受付時間は9:00~22:00。
ポータルサイトにあるお問い合わせフォームから相談することもできます。
住所・建物等を伝えることで、民泊事業者として届け出ているかを確認し、都道府県庁と連携して対応してくれます。希望すれば、対応した結果についても教えてくれます。

弁護士に相談できたらもっと安心!

民泊コールセンターに電話したり、都道府県庁に相談しても解決しなかった場合、あるいは、さらに複雑なトラブルになってしまうことになったら大変です。そんな時、頼りになる弁護士がいたら安心です。
自分には「相談できる弁護士がいる」ということを民泊ホストに伝えることで、交渉を有利に進めることもできるのではないでしょうか?法律の専門家として心強いだけではなく、弁護士に依頼をすることで、相手との交渉の窓口を弁護士にお願いすることができます。相手と話をする精神的な負担や、書類作成等の手間暇も省くことができるのです。いざというとき相談できる弁護士を持つことを考えておくことも、リスク対応として大切ではないでしょうか。

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※1 出典:民泊制度ポータルサイト「対象となる住宅」
※2 出典:民泊POLICE
※3 出典:新宿区「民泊問題対応会議 第5回会議(2017年10月12日)」
※4 出典:新宿区「民泊問題対応会議 第1回会議(2016年10月26日)」
※5 出典:国土交通省ホームページ「マンション管理について」
※6 出典:民泊制度ポータルサイト