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厚生労働省の調査※1によると、発達障害と診断された人数は平成23年には31.8万人でしたが、平成28年には48.1万人となっています。最近耳にする機会も増えてきた、発達障害とは、どういったものなのでしょうか。

発達障害とは?

発達障害とは、発達障害支援法によると「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」※2と定義されています。

簡単に言うと、生まれつき脳機能の一部に障害があり、脳の発達のしかたに通常と違いがある状態をさします。

発達障害の種類

発達障害とひとくちに言っても、たくさんの種類があります。大きなグループとしては、以下の3つがあります。

  1. 自閉症スペクトラム障害(ASD)
  2. 注意欠陥多動性障害(AD/HD)
  3. 学習障害(LD)

また、この他にチック障害や吃音症、発達性協調運動障害なども含まれます。

それぞれに異なる特徴を持っているとされていますが、1人の人が複数の特徴を同時に持つことも少なくはありません。自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断された人でも、「読むことが苦手」という学習障害の特徴も持っている、などの例です。また、知的障害を伴うこともありますが、発達障害の人すべてにその傾向が見られるわけではありません。

それぞれの障害の特性の図

それぞれの障害の特性の図

出典:厚生労働省「発達障害の理解のために」

では、3つの種類について、概要を見てみましょう。

1.自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害(ASD)とは、「広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ群を指しており、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれ」ると定義されています※3

兼ね備えた特徴の強さにより上記のいずれかの診断名が出る場合もありますが、それぞれに明確な境界線はないため、連続体=スペクトラムという呼称がつくようになりました。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の人には、集団行動が苦手・コミュニケーションの取り方が独特である・興味の偏りや行動へのこだわりが強い、などの特徴があるとされています。こうした特徴から対人関係がうまくいかず悩む人や、仕事などで臨機応変に対応するのが苦手と感じる人もいるようです。

2.注意欠陥多動性障害(AD/HD)

注意欠陥多動性障害(AD/HD)とは、「発達年齢に見合わない多動‐衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れ」ると定義されています※3

多動-衝動性とは、たとえばじっとしていることが苦手で常に動き回っていたり、順番を待つのが難しかったりする特徴のことをさします。不注意の特徴としては、うっかりミスや忘れ物が多い、気が散りやすいなどがあるようです。

3.学習障害(LD)

学習障害(LD)とは、「全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態をいいます」※3
このような特徴から、学業に支障が出ることもあるようです。

発達障害の特徴があると日常生活に支障はある?

発達障害の特徴を持っていても特性を活かせば、才能を十分に発揮して活躍できるでしょう。周囲の理解、学校での学習方法や会社での業務分担などの工夫があると、より暮らしやすいのではないでしょうか。

一方で、発達障害への関心は高まっていますが残念ながら周囲の理解が十分得られないときもあり、結果として自分の意思や努力とは裏腹に、トラブルに巻き込まれてしまう不安もあります。

トラブルの加害者になってしまう不安

発達障害の特徴と環境がうまく合っていない状況が続いてしまうと、そのストレスなどから、二次障害と呼ばれる状態になるケースもあります。

たとえば気分の落ち込みや身体的な不調、パニックを起こしてしまうなどの例もあるようです。また、強度行動障害を併発する場合があるようです。強度行動障害とは、自分や他人を叩いてしまったり物を壊してしまったりといった、自分や他人の危険につながる行為を、ひんぱんに行ってしまうものです。

自分の意思とは関係なく、他人を突き飛ばしてケガをさせてしまう・物を壊してしまうと、トラブルの加害者になってしまうことがあります。また、そんな不安を抱えていること自体が、さらなるストレスの要因になることも心配です。

トラブルの被害者になってしまう不安

発達障害の特徴は、社会生活の中で目立ってしまうこともあります。それにより、トラブルの被害者となってしまうことも不安ごとのひとつです。

子どもの場合、周りと異なる特徴によりいじめられたり、からかわれたりするケースもあるようです。そのストレスから、さらに人と違う行動が増えるとさらに違いが目立ってしまい、その後の生活の大きな負担となってしまうかもしれません。

大人になってからは、職場の人間関係でトラブルとなる場合もあります。発達障害の人は、外見上からは発達障害であるとはわかりにくいことが多いです。そのため、周囲と違う言動をさぼり癖がある・反抗的であるなどと受け取られ、人事評価で誤解に基づいた評価をされてしまったり、それにより職場の人間関係に適応できず孤立する、離職や転職を繰り返さざるを得なくなったりと、つらい思いをしてしまうかもしれません。

また、人間関係の構築に苦手意識があり、悪質なセールスや借金の申し出を断りきれず、消費生活トラブルに悩まされるケースもあるようです。

発達障害の人をトラブルから守る保険

このように、発達障害の特徴を持っていると、日常生活での生きにくさやトラブルなどに悩まされることもあるかもしれませんが、自身の身を守るため、そして安心して生活を過ごせるように、日頃から備えをしておけると良いですね。備えのひとつとして、民間の保険を活用する方法もあります。そうした人向けに開発された保険が、「ぜんちのあんしん保険」です。

発達障害の人も入れる「ぜんちのあんしん保険」とは?

「ぜんちのあんしん保険」は、入院や手術の備えと、トラブルにあったときの備えができます。どんな内容の保険なのか、概要をご説明します。

1.入院・手術をした時の備え

「ぜんちのあんしん保険」では、病気やケガで一泊以上の入院をしたとき、1日につき最大で10,000円、入院中に公的医療保険の対象となる手術を受けたときには最大で50,000円が受け取れます。

また、発達障害やてんかんなどの治療のため入院が必要となった時にも、一泊以上の入院1日につき3,000円の給付金が受け取れます。一般的な医療保険では、持病での入院は保障対象外になる場合もありますが、「ぜんちのあんしん保険」では、加入前に発症していた発達障害やてんかんでの入院でも、給付金が受け取れるのが特長です。

入院のときには、差額ベッド代や身の回りの品を揃える費用、ご家族の付き添いが必要な場合はその交通費や宿泊費など、思いのほかお金がかかるもの。保険で入院にかかる費用の負担を軽くできれば、安心して治療に専念できます。

2.発達障害が原因でトラブルにあってしまった時の備え

また、トラブルにあった時の補償があることも特長のひとつです。

たとえば、発達障害であることを理由に職場で差別を受けた、あるいは騙されて高額な商品の契約をさせられてしまったなど、トラブルの被害にあって弁護士に相談が必要となったときに実際かかった費用について、規定の上限額まで補償されます。

また、誤って他人の物を壊してしまったり、ケガをさせてしまったりした場合にも備えられます。トラブルに巻き込まれて、加害者になってしまうことも被害者になってしまうことも、とてもつらいことです。そんなときに弁護士を頼るなどの方法がとれるように備えていれば、負担も軽くなりますし、不安な気持ちで生活することも少なくなるかもしれません。

加入条件は「発達障害・知的障害・てんかん」などの診断が出ていること

「ぜんちのあんしん保険」に加入できるのは、一般的な医療保険と異なり、「発達障害・知的障害・てんかん」などの診断が出ている人です。この条件に該当した人、またはそのご家族を補償対象(被保険者)として申し込むことができます。その点が一般的な医療保険との大きな違いです。

一般的な医療保険では、一定期間の通院や投薬を行っている場合、告知項目に該当し、加入が難しくなる可能性があります。最近になって発達障害と診断された人の場合、状態を安定させるために日常的に薬を飲んでいることもあるでしょう。そうすると告知が必要となり、一般的な医療保険に加入しづらくなる場合もありますが、「ぜんちのあんしん保険」なら加入しやすいしくみになっています。

(診断の内容や投薬・通院の状況によっては、一般的な医療保険や、持病がある方も入りやすい引受基準緩和型医療保険に申し込める場合もあります。詳しくは各保険会社にご確認ください。)

発達障害の特徴と上手に付き合い、もしものトラブルに備えておくと安心

発達障害は病気ではなく発達のペースが人と異なるもので、発達障害であることは決して悪いわけではありません。一部では社会的な誤解や偏見もありますが、発達障害の特徴を持っていても、過ごし方の工夫などで、社会生活を営むことが十分に可能です。

ただ、物事のとらえ方が独特なこともあるため、その違いが周囲から理解されず、結果としてトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるかもしれません。

自分がどんな特徴を持っていてどんなことが得意か・苦手かを理解し、トラブルにも落ち着いて対応できるように対処法を決めておくと安心です。たとえば「こういう場合はこうする」というルールを決めておく他、最寄りの発達障害支援センターの相談窓口を利用してもよいでしょう。それに加えて保険があると、経済的な負担にも備えられます。

ご注意事項

・「発達障害の人が抱える日常リスク」でご紹介した事例は「ぜんちのあんしん保険」の補償対象外となる場合があります。個人賠償責任保険については「パンフレット」「ご契約に際しての重要事項」「約款」をご確認ください。

・ここでは保険商品の概要をご案内しています。商品詳細については「パンフレット」、「重要事項説明書(契約概要・注意喚起情報・その他重要なお知らせ)」、「ご契約のしおり・約款」等を必ずご覧ください。

※1 出典:厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」
※2 出典:厚生労働省「発達障害の理解のために」
※3 出典:みんなのメンタルヘルス「発達障害」

参考:みんなのメンタルヘルス「発達障害」
参考:国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「強度行動障害支援者研修資料」
参考:国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター「こんなときどうする?」
参考:東京都福祉保健局「発達障碍者支援ハンドブック2015」

  • 監修者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。