わが子の病気やけがでかかる治療費が心配だけれど、ペット保険に契約したらすぐに補償されるから大丈夫。そんなイメージを持っている人がいるかもしれません。

実は、ペット保険は契約したら必ずしもその日から補償されるわけではありません。「待機期間」というものがあり、所定の期間は保険がおりないしくみになっていることがあるのです。

ペット保険の補償の開始や待機期間について知っておきましょう。

ペット保険の補償はいつから始まる?

ペット保険は、保険会社に書類を郵送またはインターネット経由で申し込みをしますが、書類が届いただけの時点ではまだ補償は開始されません。告知などの申込み内容について書類審査が行われ、保険会社が承認し、保険料が振り込まれて初めて成約します。

保険の始期日は各保険会社が決めており、それぞれ異なります。保険会社に書類が到着した翌々月1日とする会社、ネットでの申込みであれば手続き完了から1カ月後とする会社、ネット上で契約手続きが完了した日の翌日とするところなどがあります。

ペット保険の待機期間とは?

さらに、一部のペット保険のなかには、待機期間が設けられているものがあります。

待機期間とは、ペット保険の契約が開始してから所定の期間は、万が一病気やケガをしても保険会社から保険金が支払われない期間のことです。つまり、上記のように申し込みから保険始期日の期間に加えて、待機期間中は補償されないということです。

なぜ待機期間が決められているのでしょうか。病気にかかっているかもしれないと思いながら病院を受診しておらず、保険金を請求するリスクが過度に高い犬やネコなどが契約するのを防ぐ意味もありますが、ペットの病気は、かかっていることに気が付かないことも多く、潜伏期間を考慮しているためです。

一般的なペット保険の待機期間は30日間

保険会社や病気の種類により異なりますが、契約から30日間などと定められていることが多いようです。また、がんについては待機期間を120日間としているのが一般的です。

待機期間中に病気をしたらどうなる?

待機期間中にわが子が病気にかかっても、保険会社はその病気に対して補償をしてくれません。待機期間の終了後にかかった病気から補償します。
つまり、もし待機期間中に病気にかかっていて、待機期間が終了してから動物病院に行っても保険はおりないということです。もちろん保険始期日(保険の補償が開始する日)以前に発症した病気に関しても補償されません。
ただし、病気とけがでは対応が異なります。けがの場合は待機期間中であっても、保険始期日以降なら補償対象となるのです。

病気の場合
病気の場合の補償

更新の時には待機期間はない

また待機期間は、初めてペット保険に加入するときにのみ設定されるものです。ペット保険は毎年更新を迎えますが、更新をするときに待機期間はありません。

しかし、A社からB社に契約を変更する場合には、A社の契約を解約してB社で新たな保険に加入するため、B社での待機期間が発生します。つまり、毎年保険会社を変更すると、毎回待機期間が発生してしまうことになります。

ペット保険に契約して早めに補償を受けたいときにはどうすればよい?

では、ペット保険に契約したらなるべく早く病気に備えられるようにするにはどうすればよいのでしょうか?

ペット保険の中には、待機期間中も補償の対象とするものや、待機期間がないものもあります。

待機期間を適用しない「待機期間不適用特約」

今は元気だと思うけれど、待機期間中に病気をしたらどうしよう?という方には、「待機期間不適用特約」という特約があります。ペット保険の契約時にこの特約を付けると、待機期間中にかかった病気に対して補償がされます。

ただし、発症時期が待機期間中ならば補償されますが、契約前や保険始期日前ならば補償されませんので注意が必要です。

待機期間がないペット保険もある

必ずしもすべてのペット保険に待機期間があるわけではありません。待機期間を設定していない保険会社もありますので、契約したらできるだけ早く補償を確保したい方はそうした保険会社を検討してもよいでしょう。

ただし、待機期間のないペット保険には、もともと補償の開始日を、申込をした月の翌々月1日としているものがあります。たとえば7月10日に申込をすると9月1日から補償が開始されることになります。このような場合、待機期間はなくても、申し込みをした直後から補償が始まるわけではありません。また、待機期間のあるペット保険と同様に、契約前や保険始期日前の病気の発症は補償されません。

日頃からのわが子の健康管理に加えて、早めにペット保険の備えを

ペット保険に待機期間があるなしに関わらず、一番大切なのはわが子が健康かどうかです。食欲がない、元気がない、下痢をしている、便が出ない、など様々な形でペットは信号を発しています。自らおなかが痛い、頭が痛い、気持ち悪い、などと訴えることはできませんから、飼い主がいち早く気がついてあげることが大切です。

ペット保険には待機期間があるということを認識したうえで、ペットが元気な時に加入をすれば、待機期間のあるなしはそれほど問題にならないと思います。後から待機期間があるのを知らずに、待機期間中に病気にかかって保険が支払われなかった、となっては残念です。待機期間のしくみを知った上で、いつペット保険に加入すればよいかのタイミングを考えてみてはいかがでしょうか。

  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 伊藤 魅和

    伊藤 魅和(いとう みわ)

    FP office ITO代表
    CFP(R)認定者、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザー
    資産運用を中心に住宅ローン・家計の見直しなどの講師・相談・執筆を行う。日本FP協会東京支部幹事、2016年くらしとお金の相談室相談員、2017年FP広報センタースタッフ、日本証券業協会金融・証券インストラクター、金銭基礎教育プログラムMoney Connection 認定講師、WAFP関東会員。
  • 監修者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。