念願のペットが我が家にやってくると考えただけでわくわくするでしょう。しかし、ペットを我が家に迎える前に、様々な準備と心構えが必要です。人は子どもが産まれる前に、様々な準備や知識を蓄えてから我が子を迎えます。ペットも同じです。家族の一員としてやってくるわけですから、万全の態勢で迎えたいものです。

初めてペットを飼う時の心構え

ペットは生き物です。飼うと決めたらそのペットが天寿を全うするまで、最期まで責任を持って飼わなければいけません。そのために、飼う前にはまず次のことを考えておきましょう。

ペットを飼う前に確認しておきたいことリスト

  • 家族がペットを飼うことに同意しているか、動物アレルギーの人がいないか
  • 住まいにペットを飼える環境が整っているか
  • 毎日のお散歩など、欠かさずペットのお世話をできる時間と体力があるか
  • 飼いたいペットの種類や大きさがライフスタイルに合っているか
  • ペットが高齢になったり介護が必要になったりしたときどうするか
  • 災害時、病気やケガのときにペットを守る方法はどうするか
  • 鳴き声やフンなどで周囲に迷惑をかけないようしつけをできるか

これらについて、家族でルールを決めておきましょう。どこで飼育するのか、食事はいつ誰があげるのか、何をあげるのか、犬であれば散歩は誰がするかなどです。

そして、家族で決めたルールは必ず守るようにしましょう。子どもが犬を欲しがって、自分が散歩をするからと言って飼ったのに、三日坊主で散歩に行かなくなった、という話をよく耳にします。

また、社会のルールも守らなければいけません。近所の方に迷惑がかからないように、予防接種、糞尿の始末、むやみな繁殖をさせない、リードをつけるなど、飼い主のモラルとマナーが求められます。

飼い主の責任は法律で定められている

これら飼い主の責任は、法律で定められています。「動物の保護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」※1というもので虐待や遺棄の防止、他人への迷惑防止などを飼い主の責務として義務付けています。具体的には、次の6つがあります。

飼い主の義務

  1. 他人に危害を加えない(迷惑防止)
  2. 感染症の予防
  3. 逸走防止(逃げ出さないようにすること)
  4. 終生飼養(動物がその命を終えるまで適切に飼い続けること)
  5. 繁殖制限(増えすぎて飼えなくならないように、不妊去勢手術などをすること)
  6. 所有明示(身元表示。飼い主がわかるよう、首輪や迷子札、マイクロチップをつけること)

これらに違反すると罰則もあります。動物を虐待・遺棄した場合は100万円以下の罰金、周辺の生活環境が損なわれ、自治体の指示に従わない場合は50万円以下の罰金などです。

虐待とは、動物に暴力や恐怖を与えることなどしてはいけないことをすること。世話をせずに放置をする、病気やけがをしても放置をしておくなど、しなければいけないことをしないのはネグレストです。どちらも禁止されています。

ペットを飼って困ること3つ

ペットを飼う前にはこれらを十分に準備していても、実際に飼ってみると困ることも少なくないようです。たとえば以下が挙げられます。

1.費用がかかる

ペットを飼うと、動物の購入費のほか毎日の食事や日用品、避妊・去勢手術代、マイクロチップ、ワクチン・予防接種など病院の費用、ペット保険に加入する場合は保険料、毎月のシャンプーやトリミング代、フードやおやつ、洋服代やしつけをするためのトレーニング費用などがかかります。

なかでももっともかかるのが、病気やけがの治療費です。環境省※2によると、1頭当たりにかかる費用は1年間で犬で約8万円、猫で約5万円だそうです。ワクチンや予防接種でも、犬は約2.8万円、猫は約1.3万円かかるようです。

このほか、フードやおやつは犬で約5万円、猫で約4万円、日用品は犬で約2万円、猫で約1.7万円など、様々な費用を合計すると、年間でかかる費用は犬で約36万円、猫は約18万円だそうです。

飼い始めた初年度はおうちやベッドなどのグッズを用意する必要もありますから、より高額になるかもしれません。

2.しつけが大変

人とペットが快適に一緒に暮らすにはしつけが欠かせません。しかし、しつけはすぐに完成するわけでもありません。自分でしつけるには、本などで情報を集めて訓練をします。ただし、手間と時間がかかります。

専門家のトレーニングに預けて訓練してもらう方法もありますが、費用がかかります。

3.旅行がしづらくなる

ペットがいると、なかなか宿泊を伴う旅行がしづらくなります。ペットホテルに預けると費用がかかりますし、ペットにストレスを与えます。預ける場合、最初は1泊から徐々に慣らすといいでしょう。

病気やけがにも要注意

ペットも生き物ですから、人と同じようにけがや病気をすることもあります。また、生まれたばかりや初めて人と一緒に暮らすペットは、環境に適応できずにけがをしてしまうこともあります。

たとえば生後数か月で人の家に来たペットは外の世界を知りません。車が危険なものという認識がありませんから、急に飛び出したりしてしまうおそれもあります。また、他のペットとのかかわり方がわからず、遊んでいるつもりが噛まれてしまうこともあるかもしれません。

犬種によりかかりやすい病気に違いも

動物の種類、犬種などによってかかりやすい病気やケガも異なります。たとえば脱臼は、トイプードルやチワワなど小型犬で比較的起こりやすい傾向があります。

先天的、遺伝性の病気にも、犬種によって起こりやすいものがあります。たとえばトイプードルでは耳の病気、柴、フレンチ・ブルドッグなどでは皮膚疾患による保険金請求の割合が多いようです。

かかりやすい病気やその費用については、下記の記事も参考にしてみてください。

関連記事:人間より高い! ワンちゃんのケガや病気でかかる費用

万全な準備で安心してわが子を迎えよう

初めて動物を飼うときには、人間だけの生活にはない環境や心構えを整えておくことが大切です。経済的な負担や生活スタイルの変化もありますが、人とペットが健康で快適に暮らす日々は、それ以上の喜びも多いはずです。

準備と心構えができれば、あとは新しい家族を迎えるだけです。さあ、楽しいペットとの生活が待っていますよ。

※1 出典:環境省「知っていますか?動物愛護管理法」
※2 出典:環境省「飼う前も、飼ってからも考えよう」

  • 執筆者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 伊藤 魅和

    伊藤 魅和(いとう みわ)

    FP office ITO代表
    CFP(R)認定者、住宅ローンアドバイザー、相続アドバイザー
    資産運用を中心に住宅ローン・家計の見直しなどの講師・相談・執筆を行う。日本FP協会東京支部幹事、2016年くらしとお金の相談室相談員、2017年FP広報センタースタッフ、日本証券業協会金融・証券インストラクター、金銭基礎教育プログラムMoney Connection 認定講師、WAFP関東会員。
  • 監修者プロフィール

    ファイナンシャルプランナー 加藤 梨里

    加藤 梨里(かとう りり)

    マネーステップオフィス株式会社代表取締役
    CFP(R)認定者、金融知力インストラクター、健康経営エキスパートアドバイザー
    マネーに関する相談、セミナー講師や雑誌取材、執筆を中心に活動。保険、ライフプラン、節約、資産運用などを専門としている。2014年度、日本FP協会でくらしとお金の相談窓口であるFP広報センターにて相談員を務める。