ペットを飼っている方には、ペットは動物といえど家族と同じ。もしも病気やケガをしたら、満足のいく治療をしてあげたいものですよね。そんなときに頼りになる方法のひとつがペット保険です。

ペット保険も人間の保険と同様に、加入する前には健康に関する告知が必要です。告知とは、保険に加入する前にかかった病気やケガについて、保険会社にありのままに伝えることです。正しく告知をしないと、いざ病気やケガをして保険金を受け取ろうとしたときに保険金が支払われないなど、加入者側に不利益が生ずる可能性があります。

では、どんな健康状態なら、問題なくペット保険に入れるの? そこで、ペット保険に入るときに支障が出る恐れのある病気やケガについてご説明しましょう。

ペット保険の加入条件は原則として健康であること

ペット保険の加入は、基本的に健康であることが条件です。保険の契約上で健康と判断される状態を「健康体」といいますが、その基準は保険会社や、病気・ケガの状況によって異なります。

ペットが「健康体」かどうかは、申し込み時に記入する「告知書」の内容により審査されます。審査結果により、

  1. 「健康体」として通常通りに加入できる
  2. 一部の病気や部位に対しては補償しないなど、条件つきで加入できる
  3. 加入できない

が判断されます。

つまり病気やケガをしたことがあっても、その内容や時期によっては、すでに完治をしている、再発の可能性が低いなどなら、加入できる場合もあります。あるいは、以前にかかったことがある病気やケガに対しては補償しないものの、他の病気やケガならば補償するなど、制限・条件を設けて契約できることもあります。一方で、契約自体が断られてしまう病気やケガもあるのです。

ペット保険に加入ができない病気やケガは?

では、どのような病気やケガが、多くのケースで保険に加入ができないのでしょうか。保険会社は個別の病気・ケガの詳細に対して、契約が可能かどうかの審査基準を公表していません。ただ一般的には、次のものにかかったことがあると、契約が難しいようです。

  1. 悪性腫瘍(がん)
  2. 糖尿病
  3. 肝硬変
  4. 甲状腺疾患
  5. 猫伝染性腹膜炎
  6. 猫後天性免疫不全症候群(FIV)
  7. 猫白血病ウィルス感染症(FeLV)
  8. 脳・神経疾患
  9. フィラリア感染症
  10. 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
  11. 副腎皮質機能低下症(アジソン病)
  12. 腎不全
  13. 心疾患
  14. 免疫介在性血小板減少症
  15. 免疫介在性溶血性貧血
  16. 巨大結腸症
  17. 巨大食道症(食道拡張症)
  18. 膵外分泌不全
  19. 椎間板ヘルニア

など※(保険会社により異なります)。

上記に該当すると、かかった時期や現在の治癒状況に関わらず、保険への加入そのものが難しいと考えられます。これらについては、保険会社の告知書や重要事項説明書、約款などに明記されていることもあります。

状況によりペット保険に加入できない可能性がある病気やケガ

また、以下の病気にかかったことがあると、契約はできるものの、その病気や部位が補償の対象外になる、あるいは保険に加入できない可能性があります。

  1. 股関節形成不全
  2. レッグペルテス(大腿骨頭壊死症)
  3. 膝蓋骨脱臼(バテラ)
  4. 緑内障
  5. 白内障
  6. 尿結石
  7. 膀胱炎
  8. 乾性角結膜炎(ドライアイ)
  9. てんかん様発作
  10. 痙攣発作
  11. アレルギー性皮膚炎
  12. アトピー性皮膚炎
  13. 慢性外耳炎
  14. 胆泥症
  15. 胆石症
  16. 歯周病

など※(保険会社により異なります)。

これらに該当すると、告知書に記載する内容に応じて、保険会社が契約可能かどうかを判断します。可能な場合も、どの病気・部位を補償対象外にするかなど、詳細な条件を審査します。

告知の対象期間はいつから?

では、これらの病気やケガは、いつまでさかのぼって告知しなければならないのでしょうか?

告知をしなければならない病気やケガの時期は、その種類によって異なります。保険自体への加入ができないような重篤な病気については、時期を問わず、これまでに一度でもかかったことがあれば告知しなければなりません。直近に症状がなくても、先天性異常や既往症と判断され、契約に支障が出ることもあります。この点が、人間を対象とした保険とは大きく異なります。

これに対して、特定の病気や部位のみを補償の対象外とするような病気・ケガの一部は、過去3か月から6か月以内に限って、該当したかどうかを問われるものもあります。ただし、ペット保険は1年更新です。加入の時に補償から外された病気やケガがあっても、更新をするときに完治していれば、再告知をすることで補償対象になる可能性もあります。あきらめずに申請をしても良いでしょう。

フィラリア予防や健康診断はもとから補償対象外

なお、ペット保険で補償をするのは、病気やケガに限ります。病気やケガではない妊娠や出産、シャンプーやトリミング、ノミやダニの除去やフィラリア予防、健康診断、予防接種などは対象外です。健康維持、健康増進のための漢方やサプリメントも対象外になります。

病気にかかる前に加入を検討する

ペットも人間と一緒です。病気にかかってからペット保険に加入をしようとすると、加入を断られることや、加入に条件を付けられることがあります。病気やケガをする前に、早めに検討をしておくと安心でしょう。

病気やケガをした後でも、まったく加入できないとは限りません。保険会社によって加入の判断が異なることもあります。万が一、加入ができないことがあっても、あきらめずに他の保険会社に申し込みをしてみると、結果が異なるかもしれません。

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※参考:
au損保「告知の対象となる傷病について」
日本アニマル倶楽部株式会社「保障内容」
アニコム損保「ペット保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」契約申込書 告知書」
アクサ損害保険「アクサダイレクトのペット保険パンフレット」

文:ファイナンシャルプランナー伊藤 魅和(編集:マネーステップオフィス株式会社)