小さな子どもは、大人に比べて病気やけがをしやすいもの。子どもは、まだ体の機能が十分に発達していないため、抵抗力が弱かったり、危険を判断するのが難しいためです。そこで、少しでも家計に役立つ情報として子どもの医療費控除について解説していきます。

大人よりも対象が広い!子どもの医療費控除

 医療費控除は、納税者本人にかかった医療費だけではなく、「生計を一にする家族」のために支払った場合にも適用されます。これは、同居する家族や、離れて暮らしていても経済的に支援をしている家族が対象です。実はこのうち、“子ども”は医療費控除の対象が広いことをご存知でしょうか?

子どもの矯正歯科治療費は医療費控除の対象に

 医療費控除の対象になる費用は、「治療のため」に要したものであることが条件です。

 ご参考:「医療費控除のしくみと申告方法」

 実は、同じ医療を受けても、大人では治療のためのものと認められないものが、子どもの場合には認められるものがあります。その代表的なものが、歯列矯正と眼鏡です。
 まず歯列矯正ですが、矯正歯科治療の治療費は健康保険の適用が無く自費診療として扱われます。そして、基本的には医療費控除の対象にもなりません。しかし、発育途中の子どもが行う場合には、正常な歯並びにするための治療としてみなされ、医療費控除の対象になります。
 なお、矯正は保険がきかないため治療費が高額になることから、歯科ローンやクレジットカードを利用することがよくあります。この場合、 歯科の窓口では領収書が発行されないこともありますが、歯科ローンやクレジットの契約書の写し、または信販会社の領収書があれば、医療費控除を受けるときの添付書類として認められます。ここで注意したいのが、ローンやクレジットにかかる金利や手数料。これらは医療費控除の対象になりませんので、控除額を計算するときに間違わないようにしましょう。

子どものめがねも対象になる場合も!

 もうひとつが眼鏡代。一般的には近視や遠視などの人が日常生活上の必要性に基づいて購入するものは、視力を回復させる治療の対価ではないとして医療費控除の対象とはなりません。しかし、幼児の未発達視力を向上させるために装着を要するときには対象になります。たとえば、遠視の子どもが弱視になるのを防ぐために眼鏡をかけるときは、治療のためなので医療費控除が認められます。ただし、医師の処方箋が必要ですので注意してください。
 さらに、子どもが通院した時は、同伴者の交通費も医療費控除の対象になります。基本的に、通院などにかかった交通費のうち、控除対象になるのは受診した本人の分だけです。しかし、幼い子どもの場合は一人で通院できないので、親などの同伴者が必要です。この場合は同伴者の交通費も対象になります。

どこまでが“子ども”?

 以上のような、子どもの医療費として認められる年齢要件には、具体的な基準は定められていません。歯科や眼科に関しては、一般的に成長期までとされていますので、中学生くらいまでは認められるようです。また、同伴者の交通費が認められる年齢は、小学校低学年迄と判断されるようです。ただし、細かい年齢についてはケースバイケースで、各所轄の税務署の判断となりますので、まずは申告する税務署に確認するようにしましょう。

一人暮らしの子どもにかかった医療費も対象になる!

 医療費控除の対象である、「生計を一にする家族」には、同居して親に扶養されている子どもはもちろん、親の仕送りで生活している一人暮らしの子どもも対象になります。一人暮らしをしている子どもが世帯主の保険証を使って医療機関にかかるときは、窓口では子どもが医療費を支払うことが多いと思いますが、領収証があれば医療費控除の対象として合算できます。また、子どもが薬局で買った風邪薬や胃薬なども対象になります。病院の領収証や薬局のレシートは、捨てずに保管しておいてもらうようにしましょう。

 医療費控除の対象になる医療費は、お子さんの分も含めると思った以上に多いのではないでしょうか。こまめにレシートや領収書を保管したり、交通費をメモしておいたりすれば、節税効果がアップするかもしれません。

参考サイト
国税庁「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
国税庁「医療費控除の対象となる医療費」

本文:CFPファイナンシャルプランナー 加藤梨里