肥満症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの『生活習慣病』は、それぞれが独立した別の病気ではなく、肥満(特に内臓に脂肪が蓄積した”内臓脂肪型肥満”)が原因であることが最近の研究でわかってきました。
 内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を『メタボリックシンドローム』といいます。

2つのタイプの肥満

 肥満には”皮下脂肪型肥満”と”内臓脂肪型肥満”の2つのタイプがあります。

皮下脂肪型肥満 下腹部、腰まわりやお尻、太ももなどの下半身を中心に脂肪がたまる肥満。洋なし型肥満ともよばれています。
内蔵脂肪型肥満 内臓のまわりに脂肪が溜まる肥満。お腹がぽっこり出た体型からりんご型肥満ともよばれています。

 内臓脂肪型肥満は、おなかの中の内臓の周囲に脂肪がたまった状態なので、体型からでは太っているようには見えないことがあります。
 ですから「太っていないから安心」とは言えません。

メタボリックシンドロームの定義と診断基準

 2005年4月には、日本内科学会総会において日本独自の「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」が発表されました。
 ご自分の数値をあてはめてチェックしてみて下さい。

<メタボリックシンドロームの定義>
 内臓脂肪の蓄積と、それを基盤にしたインスリン抵抗性および糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧を複数合併するマルチプルリスクファクター症候群で、動脈硬化になりやすい病態。

<メタボリックシンドロームの診断基準>

必須項目
ウエスト周囲径   男性≧85cm
  女性≧90cm
選択項目 高トリグリセリド血症≧150mg/dL かつ/または 低HDLコレステロール血症<40mg/dL
収縮期(最大)血圧≧130mmHg かつ/または 拡張期(最小)血圧≧85mmHg
空腹時高血糖110mg/dL

必須項目と選択項目で2項目以上あてはまる人はメタボリックシンドロームと診断する、と規定されています。
※測定時基準について
・CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ましい
・ウエストは、おへその高さで軽く息を吐いた状態で測る
・メタボリックシンドロームと診断された場合、糖負荷試験がすすめられるが診断には必須ではない
・高トリグリセリド血症,低HDLコレステロール血症,高血圧,糖尿病に対する薬剤治療を受けている場合はそれぞれの項目に含める

メタボリックシンドロームの危険性

メタボリック

(厚生労働省 平成18年人口動態統計月報年計(概数)の概況より)

 『生活習慣病』は、それぞれの病気の一つ一つがそれほど重症ではなくても、いくつか重なっておこると『動脈硬化』が進みやすくなります。
 また、内臓に脂肪がたまっている人は『生活習慣病』を同時にいくつも合併しやすい特徴があります。
 『動脈硬化』のさきにあるものは、『心疾患』『脳血管疾患』です。
 日本人の死因のトップは『悪性新生物(いわゆるガン)』ですが、続いて『心疾患』『脳血管疾患』となっています。この2つを合わせると全体の約1/3弱もの数になります。
 現在、『動脈硬化』にならないために、『メタボリックシンドローム』の段階でキチンと改善しておく対策がいろいろとなされています。

努力のしがいのある肥満

 内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、たまりやすく減りやすいというと特徴があります。
 ですから、積極的にからだを動かしてエネルギーを消費したり、食べすぎ飲み過ぎを控えれば、体重はそれほど減らなくても、内臓脂肪は減らすことができます。
 難しく考える必要はありません。
 例えば、会社の行き帰りに、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、バス停一つ分歩いてみる。
 油っぽい料理や濃い味付けの食べ物は控え、腹八分目にしておく。毎日、体重、ウエストを測る。
 そんな身近な事から始めてはいかがでしょうか。

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