幼い子どもは、季節の変わり目や環境の変化など、ちょっとしたきっかけで何かと体調を崩しがちです。その度に医療機関に支払う支出は、親御さんにとって痛い出費です。

 そんな経済的な負担をカバーするのが、子どもにかかる医療費の助成制度です。
 2016年8月1日現在、すべての都道府県と市区町村では、乳幼児や子どもにかかる医療費の助成制度を導入しています。
 細かい部分は自治体によって異なりますが、小学生まで、または中学生までの子どもにかかる医療費の自己負担が、全額、または一部補助されます。

今回は、東京都の例をご紹介しましょう。

医療費助成制度-東京都の市区町村例(市区町村は抜粋)
医療費助成制度-東京都の市区町村
都道府県だけではなく、市区町村でも内容が変わります。
全市区町村に関しては下記をご覧下さい。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xx3m-att/2r9852000002xx8a.pdf

医療証を見せれば医療費助成が受けられる

 東京都では、子どもの年齢や家庭の状況により3種類の医療費助成制度が設けられています。
 子どもの年齢によって、乳幼児医療費の助成制度(マル乳)、義務教育就学児医療費の助成(マル子)があり、中学生の子供までは医療費の助成が受けられる仕組みになっています。
 また、ひとり親家庭に対しては、ひとり親家庭等医療費の助成(マル親)があり、18歳(障害がある場合には20歳)まで助成が受けられます。
 それぞれの医療証を受診時に医療機関の窓口に提示すれば助成が受けられます。

 ただし、都外や本制度による診療を取り扱わない医療機関で診療を受ける場合や、都外国民健康保険に加入している人は、一度医療保険の自己負担分を医療機関の窓口に支払う必要があります。
 後日、その領収書をもって、お住まいの区市町村の義務教育就学児医療費助成担当課に医療助成費の申請をすれば、助成金が戻ってきます。

それぞれの制度について、主な特徴を下表にまとめていますので参照してください。

< 図:子どもの年齢と医療証の種類 >

子どもの年齢と医療証の種類
※上記は誕生日が4月1日の子供の場合の例です。

東京都の医療費助成制度のしくみ

■乳幼児(小学校就学前まで)
 「マル乳制度」による医療証がもらえます。公的医療保険の対象となる医療費、薬剤費などの自己負担が、全額補助されます。
都内では、医療証と保険証を提示すると、病院での窓口負担がその場でゼロになります。
 ただし、健康診断、予防接種、薬の容器代、差額ベッド代、紹介状を持たずに受診した200床以上の病院の初診料等など、公的医療保険の対象にならないものは、補助されません。

■小学生~中学生まで
 6歳に達する日の翌日以後の最初の4月1日から15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間は、「マル子制度」による医療証がもらえます。
 公的医療保険の対象となる医療費、薬剤費などの自己負担が、全額、または一部補助されます。
 入院は自己負担額の全額、通院は通院1回につき200円(上限額)を除いた部分が補助されます。
 なお、区市町村によって助成範囲が異なるため、詳細はお住いの役所にお問い合わせください。

■ひとり親家庭の親と子
 ひとり親家庭には、親と18歳(18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの子どもの医療費が補助されます。
 公的医療保険の対象となる医療費、薬剤費などの自己負担のうち、一部負担金を除いた金額が補助されます。住民税の非課税者は、全額が補助されます。

医療費助成の充実度は住所によって大きな差が。

 市区町村によっては、上記よりも独自に助成の範囲を広げているところもあります。詳細はお住まいの市区町村窓口にお問い合わせください。
 一般的には、東京都23区では親の所得制限はありません。
 さらに、区によっては独自の出産お祝い制度を設けているところもあり、子育てへの支援がより手厚くなっています。
 一方、市部では親の所得制限を設けているところが多く、助成内容は23区に比べて薄い傾向があります。
 これは、都心では少子高齢化が特に進んでいるため、子どものいる家庭への支援を重視することで人口を増やし、税収をアップさせるための政策と考えられます。

もし医療費助成が足りなかったら…

 もしもお住まいの地域の制度があまり充実していない場合、医療費助成を受けるために制度が充実している地域に引っ越すことは決して簡単ではありません。
 また、助成がしっかりしている地域に住んでいても、所得制限に該当してしまった場合には助成を受けることができない可能性もあります。
 さらに、医療費助成制度の対象になるのは、公的医療保険の対象となる医療費のみです。保険の対象になっていない先進的な医療を受けた場合の医療費や、入院先の病院が込み合っていて大部屋に入れず、差額ベッド代を支払った場合には家計に大きなダメージがかかります。
 そんな、まさかの出費に備えるのが子ども医療保険です。
 最近では0歳からでも入れる子どもの医療保険が発売されております。
 公的な医療費助成に加え、カバーできない部分を民間の医療保険で補うことで、急な病気やアクシデントに見舞われても大切なお子さんをしっかりと守ることができるでしょう。

本文:CFPファイナンシャルプランナー 加藤梨里