空き家への火災保険でお悩みの方は多いのではないでしょうか。あまり活用できていない空き家に火災保険が必要かどうか、そもそもどのような保険が必要なのか、是非参考にしてみてください。

高齢化で空き家率は過去最高に!

総務省の調査によると平成25年の全国の空き家率は13.5%と過去最高になりました。空き家が増える原因は様々考えられますが、地方に住んでいた親が亡くなり土地・建物を相続したけれど、誰も住む人がいない、賃貸に出したいが建物が古く借り手がつかないなど、所有者の高齢化や建物の老朽化が原因となる場合が増えているようです。

今後高齢化が進めばますます増えると思われる空き家ですが、そもそも誰も住んでいない家に火災保険は必要なのでしょうか?

空き家は本当に必要か「空き家の推移」グラフ」

火災後の片付けや所有者の管理責任を考えると保険は必要?

通常の火災保険は、住居としての価値がある建物の損害を補償するために加入します。しかし、空き家はそもそも人が住んでいないので焼けてしまって困る人はいません。老朽化して建物の価値そのものがない場合もあるでしょう。それでは火災保険を付ける必要はないようにも思えます。

しかし、逆に空き家ならではのリスクが発生することも考えられます。
たとえば、空き家が火災になった時のことを想像してみましょう。
建物は焼失してしまったとしても、もともと誰も住んでいなければ再建築する必要はありません。しかし、空き家であっても所有者は焼けてしまった家の残存物を片づけたり、撤去したりしなくてはならず、そのための費用が発生します。

また、火災にならなくても台風などで廃屋のようになった空き家の屋根が飛んで近隣の家を壊した、人を怪我させたとなると、所有者として損害賠償の責任が発生します。預貯金で賄えないような損害を与えてしまった場合は保険で備える必要が出てくるのです。

そもそも空き家に保険が付けられる?

空き家にも火災保険が必要だ、ということはわかっても、具体的に空き家の火災保険はどのように契約を結べばいいのでしょうか?

火災保険は建物の用途によって保険料が変わります。建物に人が住んでいれば住宅として火災保険に加入できますが、人が住んでいない「空き家」は火災保険の契約上「住宅」とはみなされないのが一般的です。保険会社によっては「一般物件」として店舗や事務所と同じような扱いで保険契約を行うことができますが、住宅に比べて保険料が割高になる可能性があります。また、建物が廃屋のようになっているなど、管理状態によっては火災保険そのものが契約できない場合もあります。

空き家に火災保険が付けられるかどうかは、今後住居として住む可能性があるのか、長期間空き家のままになるのか、近隣に迷惑をかけないようにしっかりと管理をしているか、といったところがポイントになりそうです。

所有者の管理責任は「施設管理賠償責任保険」の検討も

通常、建物の老朽化で建物の一部が風で飛んで近隣の家を壊したり、人を傷つけたりした場合の損害賠償については、個人賠償責任保険でカバーされます。しかし、空き家は一般的には「住宅」と認められないため、個人賠償責任保険を特約として付けられない場合がほとんどです。

そこで検討しておきたいのが施設賠償責任保険です。個人賠償責任保険は自分や家族が物を壊した、あるいは人を傷つけた時の保険ですが、施設賠償責任保険は「空き家」の所有者が管理の不手際で、物を壊したり人を傷つけたりした時の保険です。

特に他の家を壊してしまった、人に大きなけがをさせてしまったといった場合は、損害賠償が高額になるおそれもあります。預貯金で賄いきれない損害には保険で備えることが必要です。

保険の検討と同時に空き家の処分も検討を!

以上のように空き家は焼失した時のリスクがあるにもかかわらず、火災保険加入への条件が厳しくなっています。リスクやコストが高くつくのであれば、処分を検討することも一つの方法です。平成28年度から「空き家の発生を抑制するための特例措置」※が始まり、空き家を売却した時、一定の要件を満たすと3,000万円までの売却益が非課税になる特別控除が使えるようになりました。たとえば、40年前に2,000万円で購入した家を5,000万円で売却すると、600万円の節税になります。

空き家を管理していくためにはリスクがあり、コストもかかります。火災保険の検討と同時に、長期間住む予定がないのであれば処分することも検討してみてはいかがでしょう。

参考:国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000030.html