万が一、現在加入されている損害保険会社が破綻(はたん)してしまった場合でも、『損害保険契約者保護機構』によって、破綻した損害保険会社の保険契約が補償されます。
 『損害保険契約者保護機構』には、国内で損害保険業を営む会社全社が参加していますが、どのように保険契約を補償していくのでしょうか?

保険金支払いの措置(保険契約の継続)

破綻した損害保険会社の保険契約を引き継ぐ『救済保険会社』が現れるか否かによって、『損害保険契約者保護機構』は次のいずれかの方法で、破綻後3か月に生じた事故について、保険金が全額支払われるように補償します。

1)『救済保険会社』が現れた場合
保険契約が『救済保険会社』に移転される場合、『損害保険契約者保護機構』は、破綻後3か月間に生じた事故について、保険金の全額支払を補償します。『損害保険契約者保護機構』は、『救済保険会社』に資金援助を行い、破綻保険会社の保険契約が円滑に引き継がれるようにします。

2)『救済保険会社』が現れなかった場合
『損害保険契約者保護機構』が、破綻保険会社への資金援助を行うことによって、破綻後3か月間に生じた事故について、保険金の全額支払を継続できます。その後、『損害保険契約者保護機構』自ら、もしくは『損害保険契約者保護機構』によって子会社として設立された保険会社が、破綻保険会社の全ての保険契約を引き継ぎます。

契約条件の変更

『損害保険契約者保護機構』が保険契約を補償する際には、契約者にとって次のマイナス面があります。

1)補償対象となる契約者が限定される
 保険契約者が、個人・小規模法人※1・マンション管理組合※2である場合でしか、『損害保険契約者保護機構』による補償の対象にはなりません。
※1「小規模法人」とは、破綻時において、常時使用する従業員または常時勤務する職員の数が20名以下の法人をいいます。
※2「マンション管理組合」とは、建物の区分所有等に関する法律第3条・第65条に規定する団体であって、主として住居としての用途に供する建物等の管理を行なうためのものをいいます。

2)補償割合が保険契約毎に異なる
★の保険は、保険契約者を問わず補償の対象となります。

保険種類 保険金支払い 解約返戻金・満期金など
損害保険
(下記以外)
自賠責保険、家計地震保険 ★ 補償割合100%
自動車保険 ★ 破綻後3か月間は保険金を全額支払
(補償割合100%)

3か月経過後は
補償割合80%

補償割合80%
火災保険
その他の損害保険
賠償責任保険、動産総合保険、海上保険、運送保険、信用保険、労働者災害補償責任保険など
疾病・傷害に関する保険 短期傷害※1、特定海旅※2 ★
年金払型積立傷害保険 ★
財産形成貯蓄傷害保険
確定拠出年金傷害保険
補償割合90% ※3 補償割合90% ※3
その他の疾病・傷害保険 ★
上記以外の傷害保険、所得補償保険、医療・介護(費用)保険など
補償割合90% ※3
積立型保険の場合、積立部分は80%となります

※1 「短期傷害」とは、いわゆる傷害保険で保険期間1年以内の保険契約が該当します。
※2 「特定海旅」とは、いわゆる海外旅行傷害保険が該当します。
※3 「高予定利率契約」に該当する場合は、補償割合が90%から追加で引き下げられます。「高予定利率契約」とは、その保険料・責任準備金の算出の基礎となる予定利率が、破綻時から遡って過去5年間、基準利率(平成18年4月時点では3%)を常に超えていた保険契約をいいます。
【追加引き下げ後の補償割合の計算式】90%-(予定利率-基準利率)×5年分×1/2

3)予定利率の引き下げを行なう可能性がある
現在は、各損保会社の主軸の商品になっていないため、加入者数は一時より少ないと思われますが、積立保険に加入している方は注意が必要です。
 過去に高い予定利率が付されていた積立保険等は、破綻時の市中金利を参考に予定利率が見直されます。
 この場合、実際の満期保険金等は、契約時に約定した満期保険金等に補償割合を乗じた額をさらに下回ることになります。

4)早期解約控除を行なう可能性がある
年金払積立傷害保険や介護(費用)保険等の再加入が難しい可能性がある保険契約は、継続されることが前提となっています。この趣旨に反して早期に解約される保険契約の解約返戻金等は、破綻時から一定期間、一定の控除が行なわれる場合があります。なお、補償割合80%の保険契約には、早期解約控除は適用されません。

これから保険にご加入される場合

 保険金の全額支払が補償されている間は、従前と同水準の保障を維持するために、破綻保険会社に保険契約の解約を申し出て、他の保険会社と新規の契約を結ぶこともできます。
 損害保険は、生命保険と異なり保険期間1年の掛捨ての商品が多いために、契約を他社に移しやすいという特徴がありますが、前途の通り一定のリスクは伴ってしまいます。

 大切なことは、ご自身の責任で保険会社の経営状態をチェックしていただく必要があるということです。

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