「投資」と聞いたときにどんなことを思い浮かべますか。「危険」「損をする」というようなマイナスのイメージを思い浮かべた方が多いのではないでしょうか。「よくわからないから手を出さない」というのはある意味正解です。しかし、知らない世界を知るということは楽しいことであり、新たな世界が広がります。

投資の基礎を勉強

よくわからないならば勉強してから投資を始めればいいと思います。そこで、投資を始める前に知っておきたい基礎を解説します。

なぜ今投資なのか

1990年代、銀行の預金金利が6%という時代がありました。6%の金利は複利計算(利息に利息をつけていく)をすると12年で倍額になります。要するに100万円を預けたら12年で200万円になりました。7%の金利がつけば10年で倍額です。1,000万円の退職金を預けておけば2,000万円になったのです。まったくリスクのない預貯金でそれだけの金利がついたわけですから、わざわざ投資をしなくてもよかったわけです。

しかし、今の時代はどうでしょうか。銀行の定期預金金利が0.01%~0.025%です。日銀がマイナス金利を導入し、普通預金の金利が0.001%になっています(2016年4月現在)。1,000万円を1年間預けても利息が100円、さらに税金が引かれ受取利息は79円です。それではコーヒーの1杯も飲めません。リスクを取らなければ増えない時代になっているのです。

10年でいくらになるか?

実質金利という考え方

それでも目減りするのは嫌だから預貯金に置いておくという方もいらっしゃると思います。預貯金においておけば減らないと思っている方が多いと思うのですが、実は預貯金においておいても目減りをするかもしれないのです。いわゆるインフレです。

「インフレ」とは、モノやサービスの値段(物価)が上がることです。例えば300万円の車があり、現在300万円の資金が手元にあるとすると、その車を購入することが可能です。しかし、5年後に同じ300万円の車を買おうと思ったとき、2%ずつ物価上昇をしていたらどうなるでしょうか。300万円の車は331万円になります。

車の値段

一方、手元の資金を0.025%の定期預金に預けていたと仮定すると、複利計算で5年後の受け取りは300万2,989円です。300万円の車は手元資金では買えなくなってしまいました。

要するに金利がインフレに負けてしまったのです。預貯金に預けておいたら減らないと思っていたのに、実は目減りをしていたということです。

資産の目減り

ですから、お金を増やすうえでは、物価の上昇を差し引いた後の金利「実質金利」を考えておくことが大切です。

実質金利=金利-物価上昇率

文:伊藤魅和(FPoffice ITO代表)