2009年5月に出産費用の全国平均は42万4千円(最高額:東京51万5千円、最低額:熊本34万6千円)と厚生労働省より発表されました。出産は病気ではありませんので自費となるのが原則ですが、公的な支援策や民間で加入している医療保険などに、出産費用に関する制度が用意されています。
 そこで、出産一時金として支払われる公的な支援「出産育児一時金」と、出産費用に係わる民間医療保険の「入院給付金」について学んでおきましょう。

出産費用の公的な支援制度 「出産育児一時金」

 妊娠・出産は病気ではありませんので正常分娩の場合、健康保険(国民健康保険・政府管掌健康保険・健康保険組合など)は適用されません。出産費用は全て自費負担が原則となっています。
 が、少子化対策の一環で出産一時金として、子供を出産した場合に健康保険から出産育児一時金が給付されます。給付される金額は、子ども1人当たり42万円です(双子の場合は84万円)。
 本来、出産費用は個人で病院に支払い、その後健康保険組合など公的保険機関から出産者に支給されるのが一般的でしたが、健保組合などが費用を医療機関に直接支払うことで、手元に現金がなくても出産できるようになりました。これを「直接支払制度」といいます。親にとってはうれしい制度ですね。逆に、産婦人科の病院は、公的制度で支給されるまでの約2ヶ月間、入金が止まってしまう」ことになり、資金繰りの悪化も懸念されているようです。

現在、医療機関等にかかっている妊婦のみなさまへ(2009年10月1日 厚生労働省発表より抜粋)

 お手元に現金がなくても安心して出産に臨めるよう、妊婦さんの経済的負担を軽減することを目的として、この10月より出産育児一時金等の直接支払制度が実施されたところですが、準備がどうしても間に合わないなどの理由により、直接支払制度の対応ができない医療機関等が一部生じてしまう事態となりました。
 ただし、そのような医療機関等では、妊婦さんに対して以下のような対応をしていただくこととなっていますので、出産を予定されている医療機関等へご確認ください
(1) 医療機関等が直接支払制度に対応していない場合は、その旨のお知らせが窓口に掲示されることになっています。
(2) 妊婦さんに対しては、直接支払制度に対応していないことの説明があります。妊婦さんはその説明内容について同意をしていただき、合意文書を作成することとなっています(直接支払ではない従来の支払方法での申請をする際、直接支払制度を利用しない旨の合意文書を添付する必要があります)。
(3) どうしても事前に出産費用が準備できないなど、直接支払制度の利用をご希望される場合には、個別に直接支払制度に対応していただくよう医療機関等にお願いをしているところです。なお、それでも直接支払制度への対応ができないとのことであれば、医療保険者や社会福祉協議会が行う資金貸付制度等の利用についてのご案内をしていただくこととなっています。

出産費用の医療費控除について

1 医療費控除の概要

 自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。

2 出産に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となるかの判断

(1) 妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用、また、通院費用は医療費控除の対象になります。
(注)通院費用については領収書のないものが多いのですが、家計簿などに記録するなどして実際にかかった費用について明確に説明できるようにしておいてください。
(2) 出産で入院するときにタクシーを利用した場合、そのタクシー代は医療費控除の対象となります。それは、入院が出産という緊急時のため、通常の交通手段によることが困難だからです。
(注) 実家で出産するために実家に帰省する交通費は医療費控除の対象にはなりません。
(3) 入院に際し、寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用は医療費控除の対象になりません。
(4) 入院中は病院で支給される食事を摂ることになることからこの費用は、入院代に含まれますので医療費控除の対象になります。しかし、病院の食事が気に入らず他から出前を取ったり外食したりしたものまでは、控除の対象にはなりません。

3 医療費を補てんする金額

 健康保険組合や共済組合などから出産育児一時金や家族出産育児一時金又は、出産費や配偶者出産費などが支給されますので、その金額は医療費控除の額を計算する際に医療費から差し引かなければなりません。
(所法73、所令207、所基通73-3、73-7~9) (国税庁「医療費控除の対象となる出産費用の具体例」より)

民間の医療保険 「帝王切開出産時などの手術給付金」

 帝王切開での出産経験のある方は、病院で「ご加入されている生命保険・医療保険の手術給付金の請求を忘れずにしてくださいね」とアドバイスを受けられたかもしれません。
 医療保険や入院特約の『ご契約のしおり・約款』をじっくり読んでみると『対象となる手術および給付倍率表』というページがあります。そこには、帝王切開娩出術や子宮外妊娠出術の給付倍率がしっかり明記されています。
 ところが、妊娠・分娩にともなう入院をされたときの『入院給付金』についての項目がないのです。妊娠・分娩時の入院給付金の支払については、疾患名だけでは判断できないのが現状で、大まかに以下のくくりになっています。
妊娠・分娩時の入院給付金の支払判断
 では、「異常か?通常か?」をどのように判断するかですが、『ご契約のしおり・約款』には記載がなく、「健康保険が適用されるかどうか」を目安としています。
異常分娩と通常分娩の判断
 そのために、病名のみで判断はできないのですが、“前期破水”で入院の場合は、分娩までの入院期間は健康保険適用、分娩後の入院期間は健康保険非適用のことが多く、入院給付金は「健康保険適用期間のみお支払い」というケースが多いようです。
前期破水での支払い

民間の医療保険で「入院給付金の支払対象となる場合」

 帝王切開、流産を伴う入院は全期間において入院給付金支払いとなるケースが多いようです。
 切迫早産、切迫流産、妊娠悪阻(つわり)、妊娠高血圧、妊娠糖尿病での入院給付金請求も多いようです。
 上記はあくまでも一般的な例であり、実際の入院給付金支払可否については保険会社が『給付金請求書類』を見てからの判断となることが多いので、気になる方はご加入されている保険会社に直接お問合せください。

 ある生命保険会社によると、「正常分娩後の入院以外で、健康保険非適用となる入院はあまり見かけない」とのことです。
 また医療保険にご加入されていらっしゃらない方は、この機会に妊娠・出産時にお役に立つ医療保険へのご加入をぜひご検討してみてください。

妊婦さんでも入れる医療保険

 ご参考に、妊婦さんでも入れる医療保険があります。一定の条件がありますが、ぜひ商品詳細を確認頂き検討してみてください。

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