2016年4月に北海道のペットショップで火災が発生し、50~60匹いた猫や犬のうち9匹しか生き残らなかった、という痛ましいニュースがありました。
ペットと家族同様に暮らしている方にとっては他人ごとではありません。
大事なペットはお金に代えられるものではありませんが、もしもの火災が発生したらペットも火災保険で補償されるのでしょうか?

家財を対象とした火災保険の補償内容をポイントに、ペットと火災保険について考えてみたいと思います。

ペットは火災保険の補償対象になりますか?

住まいの火災保険は大きく建物とその建物に収容されている家財を補償する保険の2つです。ペットが火災保険の対象となるかどうかは、契約上「家財」にあたるかどうかが一つのポイントです。

法律上ペットは「物」と定義されています

民法85条に「この法律において「物」とは有体物をいう」とあります。
この条文からペットは物であるという解釈が出てくるのですが、では「有体物」とは何でしょう?民法86条から土地や建物など不動産以外の「動産」はすべて「物」と受け取れます。ただし、これだけでは具体的にペットが物なのかどうかを判別することは難しいですね。法律の解釈は時代とともに変わりますが、現在は「物」とは人間が「管理可能なもの」と定義されるのが一般的です。こうしたことからペットは法律上「物」と定義されています。

ではペットは家財として補償対象になるのでしょうか?

ペットが「物」ならば、火災保険上「建物に収容されている動産」として補償されそうです。ところが実際には保険会社が規定する「家財」にペットは含まれていないケースが多そうです。

家財の範囲の例

家財に含まれるもの 建物に収容している家具・衣服等の日常生活に用いる動産
家財に含まれないもの 業務に使用する什器・備品
建物の外に持ち出している家財
自動車(原付自転車を除く)
有価証券・プリペードカード・電子マネー
動物・植物などの生き物
データ・ソフトウェア・プログラムなど
特約で含まれるもの 30万円以上の価値のある貴金属・美術品など
(高額な貴金属・美術品等の補償を付けた場合補償される)
通帳・預貯金証書・切手・印紙・乗車券など
(盗難の補償をセットした場合補償される)

 (セゾン自動車火災保険株式会社:http://www.ins-saison.co.jp/eraberu/kotsu/kiso/tatemono-kazai.html

「家財に含まれないもの」に「動物・植物などの生き物」が入っているため、残念ながら家財を目的とした火災保険に加入するだけでは、ペットは補償されません。

動物特約を付けることでペットを補償

家財を目的とした火災保険に加入するだけではペットを補償してもらうのが難しいことがわかりました。では、ペットは火災保険で補償されないのでしょうか?

家財を対象とした火災保険に「動物特約」もしくは「動物条項」などがついている場合は補償されるケースがありますので、是非ご加入の保険会社へ確認することをお勧めします。また稀にではありますが、「動物特約」もしくは「動物条項」をつけることができる商品もあるようです。

補償の内容としては、火災や爆発などによる損害発生後7日以内にペットが死亡した時、保険金が支払われるのが一般的です。

ただし、実際に特約を付けられるかどうかは、事前に保険会社への申請が必要で、金額に関しても保険会社との調整が必要です。ペットの状態や保険会社によっては引き受けが難しい場合もあります。

火災保険での引き受けが難しいとなると、最近注目を集めているペット保険にペットの死亡保障を付けられないのか考えますね。しかし、ペット保険は健康保険制度がないために高額になりがちなペットの病気やけがの治療費のための保険です。むしろ、保険金目的にペットを殺すなどの保険金詐欺を防ぐために、ペット保険に死亡保障はありません。例外として「葬祭保険金」として葬祭の実費が支払われる保険がある程度です。

火災保険とペットの関係のまとめ

1.火災保険に加入しただけではペットの死亡に対する補償はありません。
2.家財を対象とした火災保険に「動物特約」を付けることで、火災が原因で7日以内に死亡した場合など一定の条件を満たすと保険金を受け取れます。けがによる治療は対象となっていません。
3.「動物特約」は事前に保険会社への申請が必要なため、必ず加入できるわけではありません。

ペットと人間の心の関係が密接になる時代、ペットが「物」と扱われることに違和感がある方も多いかもしれません。しかし、火災保険上ペットはあくまで人間が管理する「物」としての損失を補償する、という考え方になっています。

飼い主の心の損失まで補償するところまではなかなかいきませんが、それでも火災でペットが亡くなった時に、心行くまで供養してあげるための費用として「動物特約」を考えてみるのもいいのではないかと思います。

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