医療保険のご加入を検討されている方々から、多くの質問をいただきます。
その中でお客様から問い合わせが多いのが「通院」についてです。
今回は、通院について、お話します。
「通院って保障されるの?」
「通院保障は必要?医療保険って入院に備えておけば良いんじゃないの?」
という疑問に、最近の医療事情とデータを基に考えてみましょう。

入院は40日→31日へと短期化している

厚生労働省の患者調査(平成8年・平成26年)によると、平均の在院日数は、平成8年では40.8日だったものが、平成26年では31.9日と約10日短くなっております。

施設の種類別にみた退院患者の平均在院日数の年次推移の図
傷病分類別の平均在院日数

平成8年 平成11年 平成26年
総数 40.8日 39.3日 31.9日
胃がん 47.1日 41.8日 19.3日
糖尿病 47.2日 46.8日 35.5日
心疾患 38.9日 31.6日 20.3日
脳血管疾患 119.1日 110.1日 89.5日

出典:厚生労働省「患者調査」傷病分類別にみた年齢階級別退院患者平均在院日数より抜粋

では、なぜこんなにも入院が短期化しているのでしょうか。社会背景をもとに考えてみましょう。

高齢化社会が進むと医療費は増加する…なぜ?

日本は、今までに経験したことのない、超高齢化社会に突入しております。総務省統計局「人口推計」によると、65歳以上の人口は平成29年5月時点で約3,494万人と総人口の約28%を占めており、今後もさらに高齢化は進んでいくとみられます。

65歳以上の人口推移-図

出典:総務省統計局「人口推計の結果の概要」を基に筆者作成

また、急速な高齢化等を背景に、国民医療費は、年々上昇し続けています。
「高齢化」、「医療費の増加」は皆様もテレビでよく耳にされると思います。
年齢を重ねれば身体の調子が悪くなることも多くなり、病院へ行く機会も増えていきます。
高齢化と医療費の増加は、切り離すことのできない関係にある問題なのです。

国民医療費の推移について

出典:厚生労働省「国民医療費の概況」(平成27年度)を基に筆者作成

厚生労働省による統計調査によると、平成元年から平成27年までの間に、国民医療費は約2.14倍になっています。

医療費の抑制は日本全体の課題

上段でもお伝えしたように、日本における国民医療費は急激に増加しています。
その国民医療費の抑制を目的に、国は、診療報酬点数制度の変更を行い、入院日数の短期化を進めています。その影響もあって、約20年間で入院日数は、10日以上短くなりました。

入院が短期化している理由をご理解いただけましたでしょうか?
まとめますと…

高齢化社会が進んでいる⇒高齢化が進むことにより国民医療費が増加している⇒国民医療費の抑制を目的に、国は制度の変更を行った⇒結果、入院日数が短期化した!

ということになります。

治療は入院治療から通院治療が主流に

ここで疑問を持たれた方も多いと思います。「入院日数が短期化したのは理解したが、ただ単純に入院が短期化しただけなのだろうか?」「入院日数が短期化したことで、しっかりとした治療を受けられなくなってきているのではないだろうか?」と。

このような疑問を持たれることは、当然の事だと思います。
ここで重要となってくるのが「通院」です。
簡単に通院についてご説明します。

「通院」とは、医師による治療が必要なため、外来や往診によって治療を受けることをいいます。混在しがちですが、「通院」と「日帰り入院」は別のものになります。
「日帰り入院」とは、入院日と退院日がイコールとなっている入院をいいます。病院で発行される領収証の「入院料等」という項目に点数が入っているか否か、などで通院か日帰り入院かがわかるようになっています。
話を戻しますと、入院の短期化が進むことにより、検査・処置・放射線治療等は通院治療で行われることが多くなってきています。
今までは、入院で行っていた一部の治療や検査等が、通院治療で行われるようになりました。特に、入院前の通院治療が増加しています。

入院前後通院割合のグラフ

出典:厚生労働省「患者調査」(平成26年度)を基にアクサ生命保険株式会社算出

ですので、入院前と入院後の通院に備えることも、今の医療事情では必要となっているのです。

今の医療事情に合致した最良の選択を!

ここまで、入院は短期化していると話をしてきましたが、当然のことながらすべての入院が短期化しているわけではありません。脳血管疾患系の入院は以前に比べて短くなったとはいえ、平均在院日数は89.5日と長期に渡り、糖尿病など平均在院日数が30日を超える傷病もいまだに多くなっています。
入院の短期化・通院治療への移り変わりについては今までに述べてきたとおりですが、入院・通院どちらかに偏ってもしっかり保障・安心を準備したことにはなりません。
入院にも備えながら、通院もしっかり保障する医療保険を選択することが、皆様の安心につながるといえるでしょう。

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参考ページ:医療保険で1入院の入院限度日数は何日あればいいの?
参考ページ:医療保険に入ろうと思っています。でも、入院給付金日額はいくらにしたらいいの?
参考ページ:がん保険は入った方がいい?がん保険の選び方