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認知症でかかるお金に備える

認知症になると、本人にも、家族にもそれまでの日常生活にはなかった負担がかかります。そのなかでも気になるのがお金の負担です。もし認知症にかかった場合、どれくらいのお金がかかるのでしょうか? 

考えておきたい費用としては、次のものがあります。

  1. 診察・検査費用
  2. 薬代
  3. 介護サービス費用

1.診察・検査費用

最近、物忘れがひどくなった気がする、もしかして認知症の始まりかも? と気になり始めた人が、初めに行うのが検査です。病院の精神科、神経科、神経内科、老年病内科、老年内科などを受診します。「ものわすれ外来」など、認知症専門の診療を行っているところもあります。

ここでは、診察や検査を行います。本人に問診をしたり、家族から話を聞いたりするほか、簡単な認知機能のテストをするのが一般的です。テストは、今日の日付を答えたり、引き算をしたり、野菜の名前をできるだけたくさん言ったりなど、おおがかりなものではありません。これらには、診療費として初診料で1割負担の場合280円、3割負担の場合850円かかります。再診なら1割負担で70円、3割負担で220円です(2016年現在)。

検査は、MRIやCT検査、血液検査などをおこないます。状況によって、他の検査方法が追加されることもあります。検査の細かな内容によって少々異なりますが、費用はおおよそ1割負担で2千円~4千円、3割負担で7千円~1万3千円ほどになることが多いようです。

2.薬代

認知症とひとくちにいってもさまざまな種類がありますが、アルツハイマー病には薬物治療を中心に行います。アリセプト、レミニール、イクセロン、リバスタッチ、メマリーといった名前の薬があり、1日分の薬価は処方量にもよりますが、300円~500円程度(2016年現在)です。1割負担なら1ヶ月分で1千円台、3割負担なら3千円台が目安です。

3.介護サービス費用

認知症になると、重症度によっては介護が必要になることがあります。要介護状態になった場合には、介護サービスの費用がかかります。

介護サービスには、主に自宅で生活しながら受ける「在宅サービス」、施設などを利用して受ける「デイサービス」、施設などに入所して受ける「入居・施設サービス」があります。これらで受ける介護サービスには、公的介護保険の対象になるものとならないものがありますが、対象になるものは全国どこでも料金は同じです。対象になる場合、費用の自己負担は1割です。ただし、施設で介護サービスを受けるときなどに提供される食事や日常生活に必要なものは、全額が自己負担です。

具体的にどんな介護サービスを受けるかは、介護の状態や本人・家族の意向によってまちまちです。ですので、かかる費用も個人差がありますが、介護度が重症であるほどさまざまなサービスを受ける分、費用が高くなる傾向にあります。

ただ、自己負担の目安としておおよそ月に3万円から5万円を考えておけばよいでしょう。これは、介護保険には「高額介護サービス費」※というものがあり、月々の負担に上限額が設けられているからです。一般的な所得の方であれば、負担の上限は1世帯当たり 月44,400円です(2017年8月現在)。1ヵ月に支払った自己負担の合計金額がこれを超えたときは、超えた分が後で払い戻されます。

家族にかかる負担も忘れずに

ここまでみてくると、認知症の治療やケアそのものにかかる費用は、現役並みの収入があって医療費が3割負担になるか、あるいは1割負担かによって変わってくること、また、介護費用は月に5万円程度を考えておけばよいことがわかります。

ですが、実際に介護が必要になると、家族がサポートをしたり、自宅をバリアフリーに改修したりと、さまざまなところでの対応に迫られることがあります。公的介護保険の対象にならない部分で、意外なお金がかかることも想定しておくとより安心です。

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※出典:厚生労働省「 高額介護サービス費の基準が変わります」(平成27年)

本文 : CFPファイナンシャルプランナー 加藤梨里

参考ページ:認知症とは
参考ページ:認知症の予防方法
参考ページ:認知症に備える保険