思わぬ病気やケガで入院することになったとき、体のことと共に心配なのがお金のことではないでしょうか。でも、入院することが決まった後に保険に入ることはできるのでしょうか?

生命保険・医療保険で必要な健康状態の告知

生命保険や医療保険に契約するときには、原則として健康状態の告知が必要です。告知の内容によっては、保険に契約できないこともあります。(参考:「生命保険の告知とは?」

一般の生命保険・医療保険では3カ月以内の診察は告知が必要

健康状態が標準的な人向けの生命保険・医療保険に契約するときの告知書には、「最近3カ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けたことがありますか」という項目があります。つまり、「最近3カ月以内に」何らかの形で医師に診てもらったことがあれば「はい」と答えることになります。

入院は、基本的には医師の診察を受けて入院が必要と判断された後にするものです。ですから、もしも現時点で入院する予定があるのであれば、最近すでに医師の診察を受けており、告知項目に該当するはずです。

このほかにも、一般的な告知書には「過去2年以内に、健康診断・人間ドックを受けて、指定の臓器や検査項目で異常を指摘されたことがありますか」などの項目もあります。

告知項目に該当しても保険に申し込める場合もある

ただ、これら項目に「はい」と回答したからといって必ずしも保険に契約できないわけではありません。「はい」と回答した際には、その詳細を告知書に記入し、保険会社が内容を見て保険に契約できるかどうかを判断します。

入院の理由が重篤な病気やケガであれば入れない可能性が高くなりますが、軽微なものならば支障なく契約できる可能性もありますし、特別な条件がつくものの契約自体はできる場合もあります。

たとえば、眼の手術で入院する予定の場合、契約後に眼に関わる病気やケガで入院しても保険の入院給付金はおりないものの、胃や心臓など直接に関係ない臓器の病気は保障されるようなケースです。(参考:「持病がある人も生命保険に申し込める?特別条件付き契約とは」

引受基準緩和型は入院が決まっていても入れる?

すでに持病のある人向けには、「引受基準緩和型」という保険もあります。

これは標準的な保険に比べて告知事項が少なく、契約時点で病気やケガの治療中だったり、持病があったりしても入りやすいしくみになっています。たとえば健康診断や人間ドックで異常を指摘されたことがあるかどうかは問われません。(参考:「病気がご心配な方がご加入いただきやすい保険」

引受基準緩和型は入院予定なら契約できない可能性が高い

ただし引受基準緩和型保険の場合は、原則として告知事項がすべて「いいえ」にならないと契約できません。

多くは「最近3カ月以内に、医師から入院・手術・検査のいずれかを勧められたことがありますか」「今後3か月以内に、入院または手術の予定がありますか」など、入院の必要性や予定があるかどうかを問われます。
ですから、もし契約時点で入院の予定があるならば「はい」に該当し、加入できません。

ちょっとした異常やケガで、急を要さない計画入院をすることもあるでしょう。そのような場合はご自身ではそれほど健康状態は悪くないと思っているかもしれませんが、保険の契約上ではリスクが高いとみなされ、契約できないことが多いのです。

なお、申し込み時点で入院している場合も契約できない可能性が高いでしょう。商品によっては告知で「現在入院中ですか」を問われるものもありますし、「最近3カ月以内に入院を勧められた」結果、現在入院しているケースが多いと考えられるためです。もし、退院後には比較的短期間で回復が見込めるようなら、回復を待って契約手続きをする方がスムーズかもしれません。

告知のない無選択型なら入院が決まっていても入れる?

加入時点での健康状態を問われない保険もあります。「無選択型保険」といって、申し込みにあたって告知や診査をしなくてもよい保険です。この保険なら、これから入院の予定がある方や入院中の方でも加入できる可能性があります。(参考:「病気があっても入れる医療保険」

無選択型保険なら入れる可能性はあるが…

ただし無選択型の保険は、さまざまな健康リスクを抱えた方が申し込むことを前提としているため、保険に契約後に入院や手術をして保険金・給付金を受け取るときには所定の制限があります。

たとえば、契約後90日間などの一定期間内は病気で入院しても入院給付金が支払われない、一定期間が経過しても給付限度日数が短く、入院が長期にわたると全日程分の給付金を受け取れないなどです。また、契約時点で治療中の病気や既往症が原因の場合は、契約後に入院などをしても保険金や給付金を受け取れないケースもあります。

さらに、設定できる保険金額や給付金額が低い傾向もあります。入院や手術に備える医療保険では入院1日につき1万円が限度で、がんなどの大きな病気と診断されたときに100万円などまとまった保険金を受け取れるような商品は、2018年12月現在ないようです。また、万が一の死亡時に保険金を受け取れる死亡保険でも、保険金額500万円程度を上限としているものが主流です。

入院の原因や状況によって保険に入れるかは変わる

このように、一般的にはこれから入院の予定がある状況では保険には入りにくいと考えられますが、入院する原因となった病気やケガが何であるか、どんな状況かによって、入れるか入れないかは異なります。入れる場合も、その選択肢が変わってきます。

保険会社によっては申し込み前の査定も可能

告知内容や告知項目は保険会社や商品によって異なり、同じ商品であっても、契約しようとするときの被保険者の健康状態によって加入条件の結果が変わることがあります。個別のケースによって判断が異なりますので、ご自身の保険を希望される際には、まずは候補の保険会社に確認してみるとよいでしょう。

申し込みをする前に告知だけをして、加入できるかどうかや加入条件を確認してもらう「事前査定」をしてもらえるところもあります。ご自身の健康状態で、最も望ましい条件で契約できる保険を探してみるとよいですね。

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本文:CFPファイナンシャルプランナー 加藤梨里