三井住友海上火災保険株式会社とあいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、業界初となる自動車保険「心神喪失等による事故の被害者救済費用特約」を開発し、2019年1月から提供を開始すると発表しました。

近年、高齢者が起こす自動車事故は増加傾向にあり、中には、認知症等により運転者の責任能力の有無が問題となることや、高齢者の家族が監督義務者として賠償責任を問われることがあります。ところが、現行の自動車保険では、例えば監督義務者がいないと保険金を支払えないため、被害者救済ができないという課題がありました。そこで両社は「心神喪失等による事故の被害者救済費用特約」を開発しました。

「心神喪失等による事故の被害者救済費用特約」は、運転者が責任無能力者のため損害賠償責任を負わず、かつ、監督義務者が不在または監督義務者の責任が認められない場合に、その運転者が支払うべき損害賠償金を被害者に支払う特約です。すべての自動車保険契約(ドライバー保険と24時間単位型自動車運転者保険を除く)に、追加保険料なしで自動的にセットされます。ただし、対人賠償保険または対物賠償保険を契約してある場合に限ります。

また、認知症患者が徘徊等で線路に立ち入るなどして電車を止めてしまい、多額の損害賠償請求を受けた場合などは、財物損壊を伴わないため補償の対象となりませんでした。両社は、2017年1月から一部の火災保険において、財物損壊を伴わない電車等の運行不能による損害賠償責任を補償する特約を提供してきましたが、このたび対物賠償保険と「日常生活賠償特約」にも同様の補償を追加することとしました。

なお、LGBTに関する社会的関心が高まっている中、事実上婚姻関係と同様の同性パートナーが配偶者に含めるよう、自動車保険の「配偶者」定義の見直しも同時に行われています。

文: 蟹山淳子